機能性表示水面下情報 ~117号/大麦若葉で免疫表示狙えるか?

1.薬理と治療10月号に、東洋新薬さんの論文

 「大麦若葉末含有食品が腸内細菌叢、体調
  および便性状に与える影響」

 が掲載されていました(>冒頭ページ)。

 東洋新薬さんの意図はともかくとして、今日
 はこの論文で免疫表示が狙えるかどうかを
 検討してみましょう。

2.免疫表示に関する消費者庁の指針は現在次の
 ようなものと思われます(以前書いたものを
 多少修正しています)。

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(1) 「体の免疫機能を維持する」しか認め得る
  ヘルスクレームはない。

(2) (1)のエビデンスは体調アンケートでよい。

(3) (2)以外に、(A)免疫の司令塔と言えるものが
  活性化されて(B)個々の免疫細胞に降りていく
  という作用機序を示す必要がある。

(4) (A)のエビデンスはin vitroでもヒトでもよい
  が、(2)のエビデンスと一つの研究で考察され
  ている必要がある。

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3.そこで検討してみましょう。

 i.体調アンケートは表4にあり(>表4)、
  キリン社と同一路線です。

ii.問題は2の(3)です。
  この論文はこう述べています。

  「さらに腸管には体の免疫細胞の70%が存在
  しているとされており、善玉菌のなかには
  自然免疫を賦活する作用のある菌が存在して
  いることも知られている。

  したがって、大麦若葉末含有食品の摂取に
  より腸内細菌叢が変化することで免疫機能
  に影響を与える可能性も考えられることから、
  本試験では、風邪に関連する体調の自覚症状
  への影響も確認することとした。」

iii.ここがOKなら、(4)はクリアーしますので問題
  は(3)に集約されます。

  つまり、キリン社はpDC細胞の活性化から個々
  の免疫細胞の活性化という図式を描いたが、
  腸内フローラの活性化から個々の免疫細胞の
  活性化を導きうるのか?ということです。

4.ご興味ある方は info@yakujihou.com 濱野まで
 お問合せ下さい。
 1ヵ月ほど消費者庁リサーチしてご回答したい
 と思います。