1.薬理と治療10月号に、東洋新薬さんの論文
「大麦若葉末含有食品が腸内細菌叢、体調
および便性状に与える影響」
が掲載されていました(>冒頭ページ)。
東洋新薬さんの意図はともかくとして、今日
はこの論文で免疫表示が狙えるかどうかを
検討してみましょう。
2.免疫表示に関する消費者庁の指針は現在次の
ようなものと思われます(以前書いたものを
多少修正しています)。
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(1) 「体の免疫機能を維持する」しか認め得る
ヘルスクレームはない。
(2) (1)のエビデンスは体調アンケートでよい。
(3) (2)以外に、(A)免疫の司令塔と言えるものが
活性化されて(B)個々の免疫細胞に降りていく
という作用機序を示す必要がある。
(4) (A)のエビデンスはin vitroでもヒトでもよい
が、(2)のエビデンスと一つの研究で考察され
ている必要がある。
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3.そこで検討してみましょう。
i.体調アンケートは表4にあり(>表4)、
キリン社と同一路線です。
ii.問題は2の(3)です。
この論文はこう述べています。
「さらに腸管には体の免疫細胞の70%が存在
しているとされており、善玉菌のなかには
自然免疫を賦活する作用のある菌が存在して
いることも知られている。
したがって、大麦若葉末含有食品の摂取に
より腸内細菌叢が変化することで免疫機能
に影響を与える可能性も考えられることから、
本試験では、風邪に関連する体調の自覚症状
への影響も確認することとした。」
iii.ここがOKなら、(4)はクリアーしますので問題
は(3)に集約されます。
つまり、キリン社はpDC細胞の活性化から個々
の免疫細胞の活性化という図式を描いたが、
腸内フローラの活性化から個々の免疫細胞の
活性化を導きうるのか?ということです。
4.ご興味ある方は info@yakujihou.com 濱野まで
お問合せ下さい。
1ヵ月ほど消費者庁リサーチしてご回答したい
と思います。