こんにちは、林田学(Mike Hayashida)です。
【機能性表示制度のルール関するQ&A】
よくある質問についてQ&A方式で回答します。
Q2.RCTをSRにコピーされないためには?
Q:機能性表示で臨床試験(RCT)をエビデンスとする時は、
査読付き雑誌への掲載がMUSTです。
そうすると、その論文をネタに他社がSRを作ることはないのでしょうか?
それが可能とすれば、
自社品の後すぐに後発類似品が登場することになり、非常に困るのですが・・・
A:
1.仰るとおりです。
例をあげて考えてみましょう。
このケースはたとえば、
ヒアルロン酸を機能性表示関与成分とするサプリXで
「ひざの健康に」と機能性表示をし、
エビデンスをRCTとするケースで、
後から他社がこのRCT論文をもとに「ヒアルロン酸、ひざ」で
SRを作って機能性表示を仕掛けて来ないか、という話です。
もしそれが出来るのであれば、
1,000万円近くかけて行った臨床試験にフリーライドされるようなものです。
これを防ぐには、プラセボの作り方を工夫する必要があります。
2.
(1)上記の例で、サプリXのプラセボを(サプリX-ヒアルロン酸)で作ったとします。
つまり、ヒアルロン酸以外はすべて中身が同じプラセボです。
この場合、サプリXとプラセボの効果の差をもたらす要素はヒアルロン酸のみです。
それゆえ、このRCT論文をもとに、ヒアルロン酸のSRを作り上げることができます。
つまりフリーライドをされてしまうことになります。
(2)そこで、一工夫です。
サプリXにはヒアルロン酸の他にコラーゲンが含まれているとします。
ここでのプラセボを(サプリX-ヒアルロン酸-コラーゲン)で作った場合は、
サプリXとプラセボの効果差をもたらすのは
ヒアルロン酸とコラーゲン
ということになります。
つまり、ここからヒアルロン酸の効果だけを導き出すことはできません。
ですので、このRCT論文を引いてヒアルロン酸のSRを作り上げることはできないのです。
(3)このように、プラセボを(試験品-機能性関与成分-α)で作っておけば、
自ら行ったRCTを他社のSRに使われることはありません。
3.以上のような試験計画を作ると、
機能性関与成分の作用機序の証明に困るのではないかという疑問もまたありえます。
しかし、機能性表示制度においては作用機序について
トクホのような厳格な証明は求められていないので、それで困るということはありません。
制度の凹凸をよく見極めることが重要なのです。
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Q14.第一目標で有意差なし、第二目標で有意差あり、どうしたらいいか?
Q15.法的割り切りと科学的真実を追求する査読の矛盾
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