こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
J133 サンファイバー睡眠サポートb
「本品に含まれるグアーガム分解物(食物繊
維)には、睡眠後、目覚めたときのすっきり感
をサポートし、起床時の疲労感を軽減する機能
が報告されています。」
グアーガム分解物は、機能性表示の初期の頃か
ら受理されている成分の一つで、これまでは整
腸や血糖値関係を届出表示としていました。食
物繊維の一種ということもあり、難消化性デ
キストリンなどとよく似た訴求内容と言えます。
ところが今回のJ113はこれまでとは方向性の違
う睡眠の質に関するものとなっています。エビ
デンスは1報採用のSR。しかし、この採用文献
には気になる点がいくつかあります。
1点目は、効果指標として採用されているもの
がVASのみである、ということです。多くの場
合、睡眠関係のエビデンスでは、ピッツバーグ
睡眠調査票のような睡眠専門の質問票を使用す
るか、脳波測定によりノンレム睡眠を調べると
いう方法がとられます。VASだけでも問題ない
のか、という疑問がわきますが、それについて
J113では、以下のように説明します。
「睡眠の分野でもVASは主観的評価として学術
的コンセンサスが得られており、不眠治療の有
効性評価においても、他の睡眠評価法と比較し、
VAS評価法の妥当性や感度の良さが示されてい
る 。-(中略)-また、アメリカ睡眠医学会
(American Academy of Sleep Medicine,
AASM)が策定した慢性不眠症のための診療ガイ
ドラインにおいて-(中略)-睡眠の主観的評
価、特に起床後の主観的評価にVASが用いられ
ている。」
そしてもう一つ気になるのが、せっかく睡眠の
指標としてのVASの一般性について説明したに
もかかわらず、結果が芳しくない、という点で
す。
SRで取り上げているVASの項目は5つですが、
群間有意差があったのは「目覚めのすっきり感」
と「起床時の疲労感」の二つのみという結果。
しかも全体的に見ると、介入前後では数値が低
下している項目が多くなっています。この点に
ついて、論文の考察では、新型コロナウイルス
感染拡大による自粛要請の影響と記載されてい
ます。
食物繊維の一種であるグアーガム分解物による
睡眠の質訴求ということで、難消化性デキスト
リンなど他の食物繊維関連の成分と差別化され
ているという点で興味深いですが、エビデンス
としては少々物足りない、という感じがします。
今後の発展に期待というところでしょうか。
それでは、またメールしますね。