機能性表示最新情報 258号 / 睡眠か、疲労感か?

こんにちは。YDCのミッシーです。

熱い毎日が続くと、体に疲労も溜まりますし、
夜もぐっすりと眠れず、目が覚めても疲れが抜
けきっていない、ということが良くあります。
今回の機能性表示最新情報は、そんな「起床時
の疲労感」のお話です。

◆H160 セラクルミンF

「本品には高吸収クルクミンが含まれます。本
品に含まれているクルクミンは、起床時の疲労
感を軽減することが報告されています。」

届出者はセラバリューさん、1報採用のSRです。
さて、皆様はこの届出表示は何を訴求したもの
だと思われますか? 睡眠でしょうか、疲労感
でしょうか?

「起床時の疲労感を軽減する」という表現は、
睡眠系の訴求でよく使われる表現です。例えば
こんな形です。

H198
「本品には、L-テアニンが含まれます。L-テア
ニンには、睡眠の質を改善(起床時の疲労感を
軽減)する機能が報告されています。」

そうするとH160は睡眠訴求になるのでしょうか。
実は、そうとも言えません。確かに、「起床時
の疲労感を軽減する」を導く指標は、OSA睡眠
調査票MA版を使用していますが、届出表示中に
は「睡眠」という言葉が出てきません。

また、SRをよく見ていくと、文献の検索式にも
「睡眠」に関連するキーワードがなく、「疲労
感」などのキーワードで構成されていて、疲労
を志向していることがわかります。

他方で、採用文献であるkuwabara2021 を見る
と、実は疲労感VASの測定も行っていますが、
これには有意差が確認されていません(data
not shown)。そこで、SRでは疲労感の指標と
して、OSA睡眠調査票MA版の項目から「起床時
の疲労感を軽減する」を取り上げた、というこ
とではないでしょうか。

その上で、「起床時の疲労感」と、「疲労感」
の関係として以下のように記載しています。

「疲労には日内変動があることが報告されてい
る 。また、疲労感に関 する自覚症状は日中ま
たは累積的な疲労・倦怠感を反映していると考
えられている 。1 報の採用論文における「起
床時の疲労感(OSA-MA)」は起床時に回答され
ており、本研究では、日内変動の影響が少ない
起床時の疲労感が軽減され ていることから、
クルクミンの摂取により、前日からの倦怠・疲
労感を軽減する 効果がみられることが示唆さ
れた」

というわけで、最初の問いかけの答えは、「疲
労感」ということになるでしょう。

それでは、またメールしますね。