機能性表示最新情報 434号 / 最近のメタアナリシス事情

こんにちは。YDCのミッシーです。

PRISMA2020以降になってから、メタアナリシス

を実施しているSRも少し増えてきたように思え

ます。そこには色々な事情があるかもしれませ

んが、基本的にはメタアナリシスを実施してい

る方がエビデンスとしての信頼性が高まるので、

良いことだと言えるでしょう。

ただ、メタアナリシスについてはある程度の知

識がないと、正確に理解することが難しかった

りします。特に、広告などで使おうとすると、

色々な数値が出てきて、何を示すべきなのかわ

からない、という事もあるようです。そこで今

回はメタアナリシスを見るときの、代表的な数

値についてまとめてみました。

以下はPRISMA2020に対応した最近のSRから、

メタアナリシスの代表的な数値を拾ってきて整理

したものです。

K797

10m障害物歩行テスト(前後差変化率)

MD:-11.41 % [95%CI:-16.54; -6.28]

Heterogeneity:I2=0%; τ2(tau2)=0 p=0.53

K773

記憶力

SMD:0.103 [95%CI:0.037; 0.168]

Heterogeneity:I2=55%; p=0.00

K771

血中酸化LDLコレステロール値

SMD:-0.25 [95%CI:-0.39; -0.11]

Heterogeneity:I2=0%; τ2(tau2)=0 p=0.64

まず見るべきはMDとSMD。MDは平均差なので、

K797の場合、10m障害物歩行テスト(前後差変

化率)において、-11.41 %の改善があった、と

言えます。一方、K773やK771はSMD(標準化平

均差)となっています。これは効果量が大きい

か小さいかの目安にすぎず、実際の数値ではな

いので、例えばK771の場合なら、血中酸化LDL

コレステロール値が0.25低下した、とは言えま

せん。

SMDの評価基準には色々ありますが、一番よく

つかわれるのは、0.2程度で「小さい効果」、

0.5程度で「中程度の効果」、0.8以上で「大き

い効果」というのがあります。そこからすると、

K771は「小さい効果」、K773はさらに効果が小

さいということになります。

次にHeterogeneityは異質性で、研究間の違い

(ズレ)を示し、簡単にいうと、ズレの割合が

どれくらいなのかを示すのがI2、ズレの大きさ

を示すのがτ2(tau2)です。これらの値が大き

い場合は、メタアナリシスの信頼性が揺らぐこ

とになります(p値はズレがあるかどうかの判

定で、有意差ありなら、研究間に明確な異質性

があることになります)

そこからすると、K797、K771は研究間の異質性

がなく、信頼できる結果という事になります。

一方でK773はI2=55%となっています。I2の標準

的な解釈としては、0-25%低い異質性、25-50%

やや低い異質性、50-75%中等度の異質性、75-

100%高い異質性、となるので、K773は中程度の

異質性で、異質性あり(p=0.00)。τ2(tau2)

が報告されていないので、異質性の大きさはわ

かりません。

ここで終わるとK773のメタアナリシスの結果は

信頼性を欠く、という事になってしまうのです

が、K773ではそれを補うために感度分析を実施

しています。これは研究を1件ずつ外していっ

て分析しても有意差があることを確認するとい

う方法(leave-one-out 法)です。この感度分

析によって、結果が大きく変わらないことから、

K773のメタアナリシスは一定の信頼性を担保し

ているというわけです。

ざっくりと、メタアナリシスを見る際の目安や

良し悪しについてまとめてみましたが、いかが

だったでしょうか。メタアナリシスについては

他にもいろいろな要素がありますが、上に挙げ

た数値を見れば最小限の要点は押さえられると

思います。

それでは、またメールしますね。