こんにちは。YDCのミッシーです。
先週のメルマガで、抗酸化作用という作用機序
を届出表示に組み込むことの不思議な点につい
て紹介しました。今回はもう少しこの作用機序
について深堀りしていきたいと思います。
前回も紹介しましたが、現在の機能性表示食品
の手引きには、作用機序に関して次のようにあ
ります。
「科学的根拠に基づく機能性を消費者に正しく
伝えるために作用機序を表示することが必要な
場合は、この欄に作用機序を含めて記載したも
のを表示することができる。 なお、表示しよう
とする機能性に作用機序を含める場合、ヒトに
おける作用機序について出典を明記の上、in
vitro 試験又はin vivo 試験により作用機序を
評価した場合のヒトへの外挿性について説明す
ることも含め別紙様式(V)-18 で科学的に説
明する必要がある。また、表示しようとする機
能性に作用機序を含める場合、その作用機序が
あたかも科学的根拠に基づく機能性の表示であ
ると消費者に誤認を与えるような表示をしては
ならない。」
この文章から、作用機序を表示する場合の要件
について、3つに分解することができます。
(1)科学的根拠に基づく機能性を消費者に正
しく伝えるために作用機序を表示することが必
要な場合
(2)ヒトにおける作用機序について出典を明
記の上、in vitro 試験又はin vivo 試験により
作用機序を評価した場合のヒトへの外挿性につ
いて説明することも含め科学的に説明する。
(3)作用機序があたかも科学的根拠に基づく
機能性の表示であると消費者に誤認を与えない。
簡単なところから見ていくと、(2)はエビデ
ンスの話で、ヒト試験などがあればクリアでき
ます。これは皆さんもよくご存じだと思います。
(3)は表現の問題です。どういうことかと言
うと、例えば、「〇〇を減少させる作用により
‥・」、こういう作用機序の表現は、「減少」
という結果を表す語が含まれており、機能性と
誤認させるためにNGです。「緩和」「維持」
「保つ」・・・、こう言った表現も同様と考え
られます。
この二つの要件については、どの事例において
も問題なくクリアされていると思います。問題
は(1)の要件である、必要性の話です。
もう少しわかりやすくするため、以下の消費者
庁からの作用機序に関する差戻しコメントを見
てください。
「機能性に関する科学的根拠に基づく機能性を
消費者に正しく伝えるために作用機序を表示す
ることが必要な場合、表示しようとする機能性
に作用機序を含めて表示することができる。」
を踏まえ、作用機序を表示することが必要であ
るか確認の上、届出表示とすることの是非を検
討してください。
つまり、「Why?(なぜ作用機序が必要なの
か)」であり、それは「科学的根拠に基づく機
能性を消費者に正しく伝える」と関連していな
ければならない、ということになります。
ところが、実際にこの要件(1)がどこまで厳
格に適用されているかについては、パッと見た
限りでは不明確なところがあります。例えば先
週の話題である抗酸化作用ですが、「抗酸化作
用により認知機能を維持する」と言った趣旨の
表現を考えてみると、この「抗酸化作用によ
り」に必要性があるのかは、疑問が残るところ
です。
となると、要件(1)はそれほど気にしなくても
よいのか、ということになりますが、それは先
ほどの差戻しコメントと矛盾します。消費者庁
側の判断の基準は明確になっていませんが、論
点としては意識されている、ということです。
そうなると、消費者庁の判断がどうであるにせ
よ、事前に必要性についてのロジックを考えて
おいた方が無難です。「科学的根拠に基づく機
能性を消費者に正しく伝えるため」なので、広
告での訴求に使いたい、はもちろんダメですし、
科学的根拠の補足として、でも少し弱い感じが
します。
例えばこんな条件を満たす論理構成なら、硬い
と言えるのではないでしょうか。
(i)作用機序を表示しないと、機能性の意味に
ついて消費者に誤認が生じる
(ii)その誤認が、作用機序を示す以外に防止手
段がない
それでは、またメールしますね。
