機能性表示最新情報 340号 / 下痢への効果は訴求できるのか?

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I1259  ゼンゼロトーン

「本品にはジンジャーエキスが含まれます。ジ

ンジャーエキスは軟便気味で排便頻度が高めの

方の排便回数を減らすことが報告されていま

す。」

便通関係の訴求になるわけですが、排便回数を

増やすという意味で便通を改善するのではなく、

「軟便気味で排便頻度が高めの方の排便回数を

減らす」というのは、初めての表現です。

ちょっとわかりづらいですが、ようするに下痢

を軽減する、という効果を念頭に置いているも

のと考えられます。

これまでの事例で似たような表現としては次の

2つの事例があります。

B602 サンファイバートリプル

「本品にはグアーガム分解物(食物繊維)が含

まれます。 グアーガム分解物(食物繊維)は、

糖の吸収をおだやかにし、食後血糖のピーク値

を抑える機能が報告されています。 グアーガ

ム分解物(食物繊維)は、便秘気味の方のお通

じを改善する機能が報告されています。 グ

アーガム分解物(食物繊維)は、難消化性糖質

(※)を含む食品の摂取による一過性の下痢にな

りやすい方のお腹の調子を整える機能が報告さ

れています。※難消化性糖質とは、消化酵素に

分解されにくい糖質のことで、甘味料に使われ

る糖アルコールなどのことをいいます。 食後

の血糖値が気になる方、便秘気味の方、難消化

性糖質を含む食品の摂取による一過性の下痢に

なりやすい方に適した食品です。」

F190 サンファイバーEXa(イーエックス

エー)

「本品にはグアーガム分解物(食物繊維)が含

まれます。グアーガム分解物(食物繊維)は、

腸まで届きビフィズス菌を増やして腸内環境を

良好にすることが報告されています。グアーガ

ム分解物(食物繊維)は、やや軟らかめの便を

改善しておなかの調子を整える機能が報告され

ています。グアーガム分解物(食物繊維)は、

便秘気味の方のお通じを改善する機能が報告さ

れています。」

機能性関与成分はどちらもグアーガム分解物で、

届出者はタイヨーラボさんです。B602では「下

痢」という言葉が明確に使われています。ただ、

「下痢」が使われているのはこの1事例のみで

他の例はありません。採用論文はNakamura2007

で、下痢の抑制割合を効果指標としています。

一方でF190は「やや軟らかめの便を改善してお

なかの調子を整える」としていて、このエビデ

ンスでは、効果指標として便性状の改善が示さ

れています。採用文献はYasukawa2019です。こ

ちらの表現に関しては、その後も複数の事例が

受理されています。

推測にはなりますが、当初B602が受理されたも

のの、それ以降では「下痢」という表現が認め

られずF190の路線に変更したということかもし

れません。

この二つの事例と比較してみると今回のI1259

は、「下痢」と明言するところまではいってい

ませんが、F190よりは一歩踏み込んだ表現に

なっていると言えます。ただ、やはり「下痢」

と直接的な表現を用いることはできない、とい

うことでしょう。