機能性表示最新情報 335号/ 2023年度は異例 の撤回件数

こんにちは。YDCのミッシーです。

このところ撤回件数が増えていて気になりまし

た。

例えば、直近だけでも2/16(16件)、2/9(26

件)、2/2(31件)等々、まとまった数の撤回

事例が公表されています。

年度末に向けて撤回事例が急増すると、すわ何

事か、と思ってしまいますが、撤回理由を見て

いると終売や、販売予定がなくなったといった

理由が並んでおり、これと言って問題があった

様子は見られません(もちろん、何か問題が

あったとしても、販売計画の見直しなど表向き

無難な理由で撤回することもありえますが)。

機能性表示食品は全体で8000件を超えており、

2015年の開始からだいぶ時間がたったことを考

えれば、古い商品の切り替えが起きることは自

然と言えるかもしれません。しかし、それにし

ても今年度の撤回件数の多さは異例と言えるで

しょう。

近年の受理件数と撤回件数は以下のようになり

ます。

2020年度 受理1067件 撤回157件

2021年度 受理1445件 撤回115件

2022年度 受理1429件 撤回125件

撤回件数は平均すると130件程度あることが分

かります。2020年度の157件はこれまでのとこ

ろ過去最多の件数でした。

さて、そこで問題の2023年度です。まだ確定は

していませんが、現在のところ受理件数は1136

件、撤回は397件となっています。

これだけ増えている原因として考えられるのは、

一つにはさくらフォレスト事件の関連です。あ

の事件では、同じ科学的根拠を用いているとし

て、88件の事例が対象となり、撤回へ至ってい

ます。

ただ、これを差し引いたとしても、なお撤回件

数は2020年度の2倍ほどです。他に撤回増加の

要因として考えられそうなことは、SRの

PRISMA2020対応関係でしょうか。SRの見直しが

きっかけとなって、既存の受理商品の整理が進

んでいるということはありそうな感じもします。

こういった要素の複合で撤回件数が急増してい

るのかもしれませんが、特に2024年になってか

らこの傾向は顕著で、1、2月だけで200件を

超えているほどです。このままだと500件近く

になるかもしれません。3月末の状況に要注目

です。