機能性表示最新情報 334号/ 単回なのか、継続なのか

こんにちは。YDCのミッシーです。

それではさっそく今回の機能性表示最新情報を

ご紹介します。

I1060 ヘスペリジンSW(エスダブリュー)

「本品にはモノグルコシルヘスペリジンが含ま

れます。モノグルコシルヘスペリジンには一時

的に自覚する朝の顔のむくみ感や、夕方の脚

(ふくらはぎ)のむくみを軽減する機能がある

ことが報告されています。」

届出者は原料メーカーの林原さんで、2報採用

のSR。顔のむくみ感訴求はこれが初めての事例

ではありません。

F174で初めて受理され、その後しばらく受理が

ありませんでしたが、このところ少しずつ増え

てきたという印象がある訴求の一つです。これ

までの事例としては下記のようなものがありま

す。

I841 むくみレスキュー

「本品にはレモン由来モノグルコシルヘスペリ

ジンが含まれます。レモン由来モノグルコシル

ヘスペリジンには、一時的に自覚する顔のむく

み感や、脚(ふくらはぎ)のむくみを軽減する

機能があることが報告されています。」

I1060のSRは、(1)中村2019、

(2)Nishimura2021。I841のSRは、(1)中

村2019となっています。(1)の文献は共通で

す。

I1060は単にモノグルコシルヘスペリジンが機

能性関与成分となっていますが、I841では「レ

モン由来」という基原による縛りがあります。

この点についてI841のSRでは以下のように説明

しています。

「研究レビューに用いた論文では東洋精糖株式

会社製の機能性関与成分レモン由来モノグルコ

シルヘスペリジンを使用していたため、当該効

果を担保するには、東洋精糖株式会社製のレモ

ン由来モノグルコシルヘスペリジンを使用する

ことが適切である」

つまり、レモン由来でなくてはならない、と

言っているわけですが、I1060は以下のように

説明してこの点をかわします。

「機能性関与成分のモノグルコシルヘスペリジ

ンは構造が明らかで、高速液体クロマトグラ

フィーで単一ピークを示す物質であり、定性的

性状性質は由来や製法にかかわらず一定である

と考えられる。」

さらに、I1060が採用する(2)Nishimura2021

は、レモン由来ではないので、この点でも基原

の縛りが必要ではない、というI1060の主張を

支えているように見えます。

しかし、この(2)Nishimura2021には気にな

るところもあります。一つはモノグルコシルへ

スぺリジンの含有量が1000mgであり、本品

(300mg含有)に対しては十分なエビデンスで

はないこと。もう一つは、(1)中村2019は継

続摂取の試験デザインであるのに対して、

(2)Nishimura2021は単回摂取のデザインで

あることです。

前者については補助的なエビデンスと考えれば

よい話ですが、後者に関しては、リサーチクエ

スチョンや非直接性の観点も交えて、採用論文

の試験デザインの適切さについて、なにかしら

の説明が欲しいところではないでしょうか。