こんにちは。YDCのミッシーです。
このところ受理件数が増えている成分の一つに、
松樹皮由来プロシアニジンB1及びB3があります。
例えば以下のような事例です。
I1037 フラバンタブレットC2E2(シー
ツーイーツー)
「本品には、松樹皮由来プロシアニジンB1及び
B3が含まれます。松樹皮由来プロシアニジンB1
及びB3には、末梢血流を維持することにより、
肌の弾力を維持し、肌の健康に役立つ機能が報
告されています。」
松樹皮由来プロシアニジンB1及びB3の訴求と
しては、他に血管の柔軟性、コレステロールの
低減などがあり、有効量としては約2.4mgと
なっています。
ところで、松樹皮由来プロシアニジンにはもう
一つのタイプがあり、それは下記のような事例
です。
I762 あさ楽ピクノ
「本品には松樹皮由来プロシアニジンが含まれ
ます。松樹皮由来プロシアニジンは中年期女性
の睡眠の質(寝付きや眠りの深さの向上、起床
時の疲労感の軽減)を向上すること、中年期女
性の日常生活の一時的な疲労感を軽減すること
が報告されています。」
こちらのタイプで訴求するのは睡眠の質と疲
労感の軽減で、有効量は10.8mgです。まず量が
異なるわけですが、この二つのタイプには主要
成分に大きな違いがあります。
I1037では、松樹皮由来プロシアニジンB1及び
B3という名称からもわかる通り、松樹皮由来プ
ロシアニジンの中の特定の成分に絞り込んでい
ます。さらに様式3の分析方法の資料を見ると、
定性確認の方法として主要成分がプロシアニジ
ンB1及びB3であって、プロシアニジンB2ではな
いことを確認する、としています。
I762の方では、「プロシアニジンB2の標準品を
用いて、プロシアニジンB2のみでなく、重合度
の高い複数のプロシアニジンの合計値を定量で
きる」として、プロシアニジンB2を標準品にし
て定性確認をしています。実際、提出されてい
るクロマトパターンでも、プロシアニジンB2の
ピークがはっきりと示されています。
ちなみにI1037の原料はフラバンジェノール、
I762の原料はピクノジェノールです。一般にこ
の二つの原料は抽出方法や構成成分も異なると
言われていますが、上記の分析を見るとそのこ
とがよく分かりますね。
ただ、一方で共通している点もあります。それ
は、血液や血管に対する作用です。I1037は届
出表示を見れば一目瞭然で、末梢血流や血管の
柔軟性、コレステロールなどがあります。
I762の方では、一見すると全く異なるようです
が、作用機序を見てみると、「末梢血管系を拡
張して過剰な熱を放出することで深部体温が低
下し、これにより睡眠の質が改善」や、「血流
促進作用、抗酸化作用、サイトカイン抑制作用
等の複合的な作用により中年期女性の疲労感を
軽減する」といった説明がされています。
こうして見ると、異なる点ばかりかと思いきや
共通点もあったりするところなどと、フラバン
ジェノールとピクノジェノールのライバル関係
を表しているかのようですね。