機能性表示最新情報 303号 / ノコギリヤシで排尿

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介

します。

I182 ノコギリヤシF 
「本品にはノコギリヤシエキスが含まれるの

で、トイレが近いと感じている中高年女性の

日常生活における排尿に行くわずらわしさを

緩和する機能があります。」(八幡物産社)

ノコギリヤシエキスで排尿訴求をする事例の

登場です。これまで排尿に関しては以下の事例

があるのみで、続くものが現れていませんでし

た。

F18 クランベリー100
「本品にはキナ酸が含まれます。キナ酸は、

トイレが近いと感じている女性の日常生活に

おける排尿に行くわずらわしさをやわらげる

機能があると報告されています。」

(マルカイコーポレーション社)

今回のI182は、届出表示の文言としてはF18

とほとんど同じ表現となっています。では

エビデンス関係はどうなのか、それぞれ見て

いきます。

まず、F18では1日のトータルの排尿回数の減少

と、ピッツバーグ睡眠質問票の項目である「日

常生活への支障」の改善を結び付けて「排尿に

行くわずらわしさをやわらげる」を導いています。

対してI182では主要下部尿路症状スコアの「朝

起きてから寝るまでの尿回数」の減少を根拠と

しています。さらに以下のような説明によっ

て、届出表示の文言を導いています。

「健常者における日常の QOL 低下症状に当て

はめると、日中のトイレの回数が多い症状は、

高速バス等の交通 機関での移動や、映画やコ

ンサート等のイベント、仕事での商談やセミ

ナー等の長時間の外出時の悩み等に繋がると

考えられる。」

どちらの事例でも共通しているのは排尿回数を

根拠としていること。エビデンスとして排尿回

数については以前から重要な要素であることが

噂されていて、薬理と治療vol50 no5 掲載の

「Effects of ursolic acid in seaberry extract on

the frequency of daily  urination in healthy

Japanese subjects」(オリザ油化社)では、最

近の排尿に関する機能性表示の要件を満たすた

め、排尿頻度について再解析した、という趣旨

のことがはっきり記載されています(ただ、

この論文についてはまだ受理事例になってい

ないようです)。

あとは排尿回数をそのまま訴求するのではな

く、「日常生活における排尿に行くわずらわ

しさをやわらげる」というQOLに結びついた

表現へトーンダウンする、という形が必要と

考えられます。おそらく排尿回数などをその

まま届出表示に取り込もうとすると、頻尿

改善など医薬品的として差し戻されることに

なると思います。