機能性表示最新情報 299号 / 脂質と飽和脂肪酸

こんにちは。YDCのミッシーです。

あまりTVを見ない私ですが、ここ数年でTVCM
で目にする機能性表示食品は急増したような
気がします。印象に残るCMも多いですが、最
近目に留まったのは、日清オイリオさんの
MCTオイル。「めっちゃ カラダに トレビ
アン MCTオイル♪」と歌っているものです。

MCTオイルは中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカ
ン酸)です。日清オイリオさん以外にも中鎖
脂肪酸を機能性関与成分をとする事例が数社
から出されており、最近増加傾向にあるよう
です。例えば、新しいものだと以下でしょう
か。

I39 MCT(エムシーティー)大麦若葉粉

「本品には中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン
酸)が含まれます。中鎖脂肪酸(オクタン酸、
デカン酸)はBMIが高めの方のウエスト周囲
径の減少、体脂肪や内臓脂肪を減らすことが
報告されています。」

ところでCM見ながらふと思ったのですが、オ
クタン酸、デカン酸は脂質であり、飽和脂肪
酸です。

機能性表示のガイドラインによれば、「食事
摂取基準に摂取基準が策定されている栄養素
を含め、食品表示基準別表第9の第1 欄に
掲げる成分は対象外とする。」とあります。
脂質や飽和脂肪酸はこの第1 欄の成分に該
当します。

これを解決するため、中鎖脂肪酸事例の作用
機序には、中鎖脂肪酸は「脂質」とは異なる
ものであるとする以下の記載があります。

「「脂質」は「日本人の食事摂取基準(2020
年版)」にてエネルギー産生 栄養素の一つ
とされるエネルギー産生を担う基質であり、
脂溶性のビタミンや その前駆体の吸収を高
める機能が示されている。本品の機能性関
与成分である 中鎖脂肪酸(オクタン酸、デ
カン酸)は、前述の通り、骨格筋のミトコ
ンドリア 生合成の増加作用による日常活動
時の脂肪酸化亢進作用を介して肝臓や脂肪
組 織の脂肪分解増加作用に関与する。従っ
て、本品の機能性関与成分である中鎖脂 肪
酸(オクタン酸、デカン酸)の作用機序は、
健康増進法第 16 条の 2 第 1 項の 規定に
基づき厚生労働大臣が定める食事摂取基準
において策定栄養素として基 準のある「脂
質」とは異なる作用機序である」

ただ、この説明だと飽和脂肪酸であることに
ついては触れられていません。より大きな脂
質という括りで見てOKだからそれで良いとい
うことかもしれませんが、ちょっとスッキリ
しない感じはあります。