機能性表示最新情報 297号 /  機能性関与成分の相互作用

こんにちは。YDCのミッシーです。

最近では1つの商品に複数の機能性を持たせ
ることは当たり前のように行わてれいます。
例えば、抗疲労訴求と睡眠訴求のようにそれ
ぞれ異なる分野の訴求を組み合わせるパター
ン。あるいは、膝軟骨保護と膝関節の可動性
のように、同じ分野を強調していくパターン
があります。

ただ、後者の場合は少し気になることがあり
ます。それは血圧と血圧、あるいは血糖値と
血糖値のようなダブル機能の場合です。上の
例のように膝と膝ならば問題ないかもしれま
せんが、理論的に考えると、血糖値低下の機
能性が二つ重なった場合、低血糖のような血
糖値が下がり過ぎることにならないだろうか、
ということです。

というわけで、今回紹介するのは、そんな話
に関わる事例です。

H1391 美味しい血糖値対策茶LOHAS
(ロハス)のイヌリン桑茶W(ダブル)
「本品には桑の葉由来イミノシュガー、イヌ
リンが含まれます。 桑の葉由来イミノシュ
ガーには、食事に含まれる糖の吸収を抑えて、
食後に上がる血糖値を抑える機能があること
が報告されています。 イヌリンは食後の血
糖値の上昇を緩やかにすることが報告されて
います。」

見ての通り、食後血糖値の上昇抑制のヘルス
クレームが二つという事例です。安全性の情
報を見ると、桑の葉由来イミノシュガーにつ
いて、糖尿病薬との併用によって、低血糖に
なる可能性が記載されており、当該商品は病
者を対象としたものではないが、念のため摂
取上の注意において注意喚起する旨がありま
す。

一方で、同じく食後血糖値の上昇抑制のイヌ
リン。イヌリンは当然医薬品ではありません
が、桑の葉由来イミノシュガーで低血糖のリ
スクを避けるため念のため注意喚起をしてお
くとしながら、血糖値抑制の成分がもう一つ
でてくるのは、矛盾とまでは言わずとも
ちょっと収まりが悪い感じがします。

その点を解決するのが、機能性関与成分同士
の相互作用についての項目。H1391では、国
立健康・栄養研究所など3つのデータベース
の調査の他、桑の葉とイヌリンを同時配合の
食品について文献検索を行い、該当の1報に
ついて有害事象の報告はなかったとしていま
す。

実際のところ、機能性関与成分の相互作用に
ついては、メジャーなデータベースを探して
みても、ほとんど報告は見つからないことが
多く、特に報告なし、などで終わる場合も多
いです。しかし、H1391のようなケースでは、
明確に相互作用を否定しておきたいところで
すね。