機能性表示最新情報 50 号 / 相反するSR

こんにちわ。

YDCのミッシーです。
「前回とほぼ同じ届出内容なので
  今度は1回で受理されますね?」と聞かれても、
「そうとは言えないのです。別の担当者に当たると
  違う指摘が入ったりします」と答えているのが現状です。
悲しいかな担当者間の統一は
図られていないのが現実なのです。
ところが、この悲しい現実が
ラッキーに働く場合もあります。
便通・整腸訴求のビフィズス菌BB-12の
3つのSRを見て、その思いを強くしました。
それでは、その3つのSRを比較を交えてご紹介します。
最初に、C278 モリモリビフィ
「本品にはビフィズス菌BB-12(B.lactis)が含まれます。
  ビフィズス菌BB-12(B.lactis)は、生きて腸まで届き
  ビフィズス菌を増やすことで腸内環境を改善し、
  便通を改善する機能性が報告されています。
  便通が気になる方、お腹の調子を整えたい方に適した食品です。」
SRの採用文献は4報で、原料メーカー
クリスチャンハンセンジャパンが
JAHFICさんに依頼して作成されたものです。
関与成分0.9×10の9乗cfu以上/日の摂取で、
便秘傾向の健常者に対し次のような効果が得られるとしています。
まず、定性的評価において群間有意差があるのは、
排便回数(2/4…4報中2報)、排便回数(1/1)、
便の形(1/4)、便PH(1/3)、ビフィズス菌(3/4)、
ビフィズス菌占有率(2/4)、 悪玉菌検出率(1/4)です。
次にメタアナリシスにより定量的評価を行い、
群間有意差があるのは、排便回数、Bifidobacteriumの
細菌数・占有率の増加、clostridiumまたは
clostridiumレシチナーゼ陽性菌の検出率・細菌数の減少としています。
そしてこれらの結果から、ヘルスクレーム「ビフィズス菌を増やす」
「腸内環境を改善」「便通を改善」を導いています。
また、1報において便到達試験が行われ9名中8名から
BB-12が検出されたことで、「生きて腸まで届く」を導いています。
二つ目はC340 毎朝ビフィヨーグルト
「本品にはビフィズス菌BB-12(B.lactis)が含まれます。
  ビフィズス菌BB-12(B.lactis)は、生きて腸まで届くことで
  腸内環境を改善し、お通じを改善する機能があることが報告されています。」
C278と同じ4報の文献を採用しており、
SR作成者もJAHFICさんですが、内容は異なります。
まず、C278ではメタアナリシスを実施していましたが、
C340では「摂取量、被験者背景などの条件が異なるため
結果の定量的統合が行えない」としています。
C278のメタアナリシスは何だったのでしょうか?
また、定性的評価についても、
(1)「プラセボ摂取時と比較して、排便日数の増加、
       腸内のビフィズス菌の増加が示された」
(2)C278が有意差ありとしている排便回数などの項目
     については「改善される傾向」としています。
   (但、個々の項目の検討では群間有意差を認めており
    (2)の「改善される傾向」の趣旨はよくわかりません)
そして、こうした結果から示されるのは
次のこととまとめています。

(1)効果が示されたのは(A)排便回数と(B)ビフィズス菌数
(2)(A)に関し、排便日数は便通が良好であることを示し、
     (B)に関し、ビフィズス菌数からは腸内細菌叢の状態を把握できる
(3)よって(2)の後段(B)からヘルスクレーム「腸内環境を改善」を導き、
     前段(A)からヘルスクレーム「お通じを改善」を導いていますが、
     C278にはある「ビフィズス菌を増やす」は削除しています。
三つ目はC351 ビフィズス菌
「本品にはビフィズス菌BB-12(B.lactis)が含まれます。
  ビフィズス菌BB-12(B.lactis)は、生きて腸まで届くことで
  腸内環境を改善し、便通を改善する機能があることが報告されています。」
SR作成はやはりJAHFICさん。
C340には従わずC278に従っています。
しかし、C278にあったヘルスクレーム「ビフィズス菌を増やす」は
削除されており、そこはC340に従っています。
同じ所でSRを作成しているものの、内容的には矛盾している感じもしますが、
三つとも受理されてハッピー、という感じですかね。
では、またメールしますね。

ミッシー
PS
YDCホームページ内の機能性表示サイト
をリニューアルしました。

受理事例の分析を大きく追加し、
拒否事例の情報も追加しました。
是非ご覧ください。