機能性表示最新情報 295号 / 小型LDLと理論武装

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介
します。

◆H1254 難消化性α(アルファ)オリゴ糖S

「本品にはα-シクロデキストリンが含まれ
ます。α-シクロデキストリンは、小型LDL
を減らすことが報告されています。」

α-シクロデキストリンはこれまでにも食後
血糖値訴求などの事例がいくつかありますが、
コレステロール関係は初となります。その中
でも注目したいのは、「小型LDL」と表現さ
れていることです。

これまでに受理されたコレステロール関係の
指標は、LDLコレステロール、HDLコレステ
ロール、総コレステロール、LDL/HDLコレス
テロール比などでした。SRによると、LDL 粒
子の中でもより小さな粒子サイズのものを小
型 LDLと言い、超悪玉コレステロールとも呼
ばれる、とされています。

こういう新しい指標を用いる場合に考慮する
必要があることは、学会などでコンセンサス
の取れた指標であるか、消費者が自覚できる
指標であるか、健常者と病者を区別出来る
か、ということが挙げられます。

この点について、H1254は以下のように答え
ています。

1)学会などでコンセンサスの取れた指標で
 あるか

・日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患
 予防ガイドライン(2017年版)」

・日本循環器学会、日本栄養・食糧学会、日
 本高血圧学会など多くの学会による「虚血
 性心疾患の一次予防ガイドライン」

2)消費者が自覚できる指標であるか

 小型 LDL-C 値の測定キット(製品名:sLDL
 -EX「生研」(デンカ株式会社))が 2021
 年10月に体外診断用医薬品として厚生労働
 省より製造販売承認、2022年4月より市販が
 開始、現在、数多くの病院で検査すること
 が可能
(健康診断のように、病院で簡単に調べるこ
 とができる、と言いたいのだと思います。)

3)健常者と病者を区別出来るか

・病者とのカットオフ値の根拠として、
 Higashioka らの福岡県糟屋郡久山町におけ
 る8年間の 大規模な前向きコホート研究

・健常者の基準としては、日本人における平
 均値や基準範囲として、伊藤、平野らの報
 告、人間ドック受診者における検討、2022
 年に報告された4万人を超える被験者での臨
 床研究

上記は要約ですが、実際にSRを見ると、いず
れも、なかなか細かいところまで記載されて
いる、という印象です。新規の指標などを採
用する際には、これくらいの理論武装が必要、
ということがよくわかる例ではないでしょう
か。

それでは、またメールしますね。