機能性表示最新情報 291号 / そばの糖の吸収を抑える機能とは?

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介
します。

◆H1108 糖の吸収を抑えるそば

「本品にはアルギン酸Caが含まれるので、
 そばの糖の吸収を抑える機能があります。」

今回注目したいのは「そばの糖の吸収を抑え
る」というユニークな届出表示です。これま
で血糖値関係の届出表示では、食事からの糖
の吸収を抑える、というものはありましたが、
「そば」と限定したものはありません。なぜ、
「そば」なのでしょうか?

エビデンスを見ると、H1108はRCTによる届出
です。このRCTにおいて試験食となっている
のが、アルギン酸Caを添加した麺(そば)と
なっています。

また、通常食後血糖値の試験では、事前に負
荷食を摂取しますが、H1108では、試験品で
あるそばが負荷食の役目も担っていると思わ
れます。それ故に、この試験結果として示さ
れた糖の吸収抑制は、「そばの糖の吸収を抑
える機能」にしていると考えられます。

ここで一つ気になるのは、試験品・負荷食が
そばだからと言って、この吸収抑制作用はそ
ばに限定されるものなのか、あるいは、他の
食品に外挿することはできないのか、という
点です。

作用機序などを見ると、アルギン酸Caの糖の
吸収抑制効果は、α-グルコシダーゼ活性を
阻害することによるものとされています。こ
れは他の吸収抑制作用を持つ成分と同様のメ
カニズムです。

そうすると、H1108の試験結果はそばに限定
されないようにも思われますが、一つ問題が
あります。通常、食後血糖値の上昇抑制試験
では、75OGTTという、負荷食として75gのブ
ドウ糖を摂取する試験デザインが用いられま
す。

しかしH1108では試験品と負荷食が同一であ
り、しかもその一食分の炭水化物量は約45g
程度となっていますから、75OGTTの試験デザ
インとは異なるものということになります。

そうなると、この結果を他の一般的な食事に
外挿することは難しいと言えるのではないで
しょうか。

それでは、またメールしますね。