機能性表示最新情報 282号 / 有意差なしの利用

こんにちは。YDCのミッシーです。

昨年末に登場したアサヒさんのL-92乳酸菌の
免疫訴求。今週になり、H839-H843と、続け
ざまに受理されています。

最初のH727が受理されたのは12/21日。H839-
H843の申請日は12/22-12/23となっています
ので、H727の受理を確認してすぐに申請した
ようです。

免疫はプラズマ乳酸菌の独占がしばらく続い
ていましたから、そのうっ憤を晴らすような
勢いという感じですね。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介
します。

◆H813 希少糖&フラクトオリゴ糖

「本品にはアルロースとフラクトオリゴ糖が
含まれます。アルロースには、日常生活(安
静時や日常活動時)のエネルギー代謝におい
て、脂肪の燃焼を高める機能があることが報
告されています。フラクトオリゴ糖には、腸
内の善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸
内環境を改善し、便秘気味の方の便通を改善
する機能、カルシウム吸収を促進させる機能
があることが報告されています。」

今回注目したいのは、カルシウム吸収の促進
です。同様の表示はこれまでにもいくつか事
例があり、例えば以下のようなものです。

■F646 マルトビオン酸Caゼリー

「本品にはマルトビオン酸が含まれています。
マルトビオン酸には、食事に含まれる鉄、カ
ルシウムやマグネシウムの吸収を促進する機
能があることが報告されています。」

■F933 オリゴワン オリゴ糖シロップ分包

「本品には乳糖果糖オリゴ糖が含まれていま
す。乳糖果糖オリゴ糖は、おなかの中のビ
フィズス菌を増やして、腸内環境を良好に保
ち、便通を改善することが報告されています。
また、乳糖果糖オリゴ糖は、食事に含まれる
ミネラル(カルシウム・マグネシウム)の吸
収を促進することが報告されています。」

上記の二つの事例では、尿中のカルシウム量
を測定して、カルシウムの吸収促進の指標と
しています。

今回のH813でも、やはり尿中のカルシウム量
を測定していますが、F646、F933とは違った
視点の指標が一つあります。それは尿中ピリ
ノイジンなどの骨代謝マーカーを見ているこ
とです。

骨代謝マーカーは、通常、骨の健康維持の機
能性の指標として用いられます。骨代謝マー
カーに有意差があるということは、古い骨が
壊され、新しい丈夫な骨が作られている、と
いうことを意味します。

さて、そこでH813ですが、骨代謝マーカーに
有意差はありません。有意差なしというと、
普通は悪い印象ですが、ここでは別の意味が
あります。つまり、尿中のカルシウム量が増
えたことは、骨の代謝の過程で骨からカルシ
ウムが流失していることによるものではない
ということです。

また、採用論文の一つを見ると、厳格に被験
者の食事管理しているようなので、カルシウ
ム摂取量が一定であることもわかります。
よって、尿中のカルシウム量が増えたことは、
カルシウムの吸収が促進された結果である、
ということになります。

これがH813が他の類似例とは異なる点です。
有意差のない指標を上手くロジックに組み込
んでいるのではないでしょうか。

それでは、またメールしますね。