機能性表示最新情報 281号 / 菌名と独自名称の関係

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介
します。

◆H786 QOLソムニケア

「本品にはBacillus subtilis subsp. natto
QOL(QOL納豆菌)が含まれます。QOL納豆菌
は、睡眠の質(起床時の眠気)を改善する
ことが報告されています。」

今回注目したいのは機能性関与成分名です。

時折受ける相談として、「機能性関与成分名
に独自の名称を用いたい」というのがありま
すが、これはNG です。質疑応答集には以下
のような記載があります。

問5.機能性関与成分名は、商標など届出者
が独自に決めた名称を用いることは可能か。

答.(・・・略)腸内細菌等の場合、当該名
称から ATCC(American Type Culture
Collection) に登録されている株名である
など、第三者が当該名称から遺伝学的に当該
菌株を 特定できる必要がある。

これを踏まえてH786を見ると、「QOL納豆菌」
は、造語的な印象を受ける名称ですが、そう
ではない、ということが分かります。

実際、別紙様式5-3を見ると、「Bacillus
subtilis subsp. natto QOL(QOL 納豆菌)」
は、遺伝子情報と共に国際塩基配列データベ
ースに登録されていることが明記されていま
す。

さて、独自の名称がNGということは確認しま
したが、H786を見ると、「Bacillus subtilis
subsp. natto QOL」を、シンプルに「QOL納豆
菌」とも表示しています。

過去の事例を見ても、例えば以下のような事
例があります。

L.reuteri DSM 17938株→ロイテリ菌
L.lactis strain Plasma→プラズマ乳酸菌

機能性関与成分名において、表現できる名称
の範囲をこの程度ということが言えると思い
ます。

最後に少し例外的な事例をご紹介。

■H735 NATURECAN(ネイチャーカ
ン)シンデレラ乳酸菌ドリンク

「本品には乳酸菌クレモリスH61株(L.
lactis subsp. cremoris H61)が含まれます。
乳酸菌クレモリスH61株(L. lactis subsp.
cremoris H61)には、ミドルエイジの女性の
肌の潤いを逃がしにくくする肌のバリア機能
を高めることが報告されています。」

機能性関与成分は「乳酸菌クレモリスH61株
(L. lactis subsp. cremoris H61)」。

しかし商品名を見ると「シンデレラ乳酸菌」
とあります。「シンデレラ乳酸菌」は、乳酸
菌クレモリスH61株の商標です。

先に示した質疑応答集 問5の内容からする
と商標である「シンデレラ乳酸菌」を機能性
関与成分名にすることはできないはずです。

そこで商品名に落とし込んでいるのだとおも
いますが、少し抜け道のような感じがします
ね。

それでは、またメールしますね。