こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介
します。
◆H462 記憶の鉄人
「本品にはピロロキノリンキノン二ナトリウ
ム塩が含まれています。ピロロキノリンキノ
ン二ナトリウム塩は、健常な中高年の方の加
齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶
力(言葉を記憶し思い出す力)、注意力(注意
を維持し、正確に対処する力)、判断力(変化
する状況に応じて適切に対処したり、推論し
たりする力)、認知柔軟性(指示の変化に対応
して処理する力)を維持する機能のあること
が報告されています。」
ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩につい
ては、以前に以下のような事例がありました。
■F286 記憶名人
「本品にはピロロキノリンキノン二ナトリウ
ム塩を含んでいます。ピロロキノリンキノン
二ナトリウム塩は、健康な中高齢者に対して、
認識能力の一部である注意力及びワーキング
メモリー(得られた視覚情報を短時間で認識
し、同時に正しく処理し行動に移す能力)の維
持に役立つことが報告されています。」
共に認知訴求ですが、今回のH462では、「判
断力」「認知柔軟性」といったものが追加さ
れています。この違いは、採用論文によるも
のです。それぞれのSRでの採用論文は以下の
ようになります。
◆H462
(1)Shiojima2021、(2)Itoh2016
■F286
(3)Itoh2016、(4)中野2009、(5)Koikeda2011
このうち、(1)は届出者である龍泉堂さん
が実施している試験となり、上述した「判断
力」「認知柔軟性」といった表現を導いてい
る論文となります。また、(2)(3)は同じ
論文となります。
(4)(5)についてですが、これらは査読無
しの論文です。このためH462では除外してい
ます。機能性表示では査読ありが基本ですか
ら、(4)(5)を採用しているF286でも、実
質的に依拠できるのはItoh2016のみとなりま
す。また、たとえ査読があったとしても、
(4)(5)の結果は否定的なものなので、あ
まり意味はないと思います。
ところで、両者に共通するItoh2016ですが、
評価した3項目の内、「視空間認知機能、時
間順序認 知機能、短期記憶(ワーキングメ
モリ)を評価するTouch Mスコア(初期スコ
アが70未満の被検者対象)について、H462と
F286では記載に違いが見られます。
H462ではこのスコアの群間比較をN/Aとして
いるのに対し、F286では群間有意差ありとし
ています。当該論文のResultを見ても群内比
較については述べられていますが、群間につ
いてのコメントは見当たりません。ここは
H462の方が適切ではないでしょうか。
仮にこの項目がN/Aだとしても、Itoh2016で
はストループテストによる注意力、ワーキン
グメモリの項目で有意差が出ているので、
F286の届出表示は支持されることになります。
ただ、ワーキングメモリに関する評価が肯定
1、否定1となるわけですから、この点につい
ては何らかの説明をしたほうが良いと思いま
す。
それでは、またメールしますね。