機能性表示最新情報 243号 / 体重管理の5つの作用機序

こんにちは。YDCのミッシーです。

このところ、機能性表示の新規受理事例は間隔
があきがちだったのですが、3月22日には大量の
事例が公表されました。その数、なんと96件。
少し前であれば、一か月分の受理件数にも相当
する数です。これによって今年度の受理件数も
一気に加速しましたが、それだけ申請数も増え
ているということなのかもし
れません。

さて、
それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し
ます。

G1152 わたしのチカラ GLABODY(グラ
ボディー)b(ビー)
「本品には甘草由来グラブリジンが含まれるの
で、日常的な身体活動における脂肪の代謝(脂
肪の分解)や筋肉量の維持を助け、肥満気味の
健康な方の腹部内臓脂肪を減らす機能、腹部皮
下脂肪の増加を抑える機能、お腹の脂肪(腹部
総脂肪)を減らす機能、ウエスト周囲径を減ら
す機能、全身の脂肪量の増加を抑える機能があ
ります。」

グラブリジンをめぐる顛末は何度かこのメルマ
ガでも紹介してきました。機能性関与成分が甘
草中のグラブリジンであるのか明確ではないと
ことから一時期受理が途絶えていたグラブリジ
ンですが、それが復活したのは、下記の事例か
らです。

G326 わたしのチカラ GLABODY(グラ
ボディー)
「本品には甘草由来グラブリジンが含まれるの
で、肥満気味の健康な方の腹部内臓脂肪を減ら
す機能、腹部皮下脂肪の増加を抑える機能、お
腹の脂肪(腹部総脂肪)を減らす機能、ウエス
ト周囲径を減らす機能、全身の脂肪量の増加を
抑える機能があります。」

G1152とG326は、同じRCT論文をエビデンスとし
ていますが、届出表示の内容は少し異なります。
勘のよい皆様であれば、G1152で追加された「日
常的な身体活動における脂肪の代謝(脂肪の分
解)や筋肉量の維持を助け、」の部分が、作用
機序であることに気づかれたと思います。

この作用機序の説明が興味深かったのでご紹介
したいと思います。

別紙様式5ー3に次のような説明があります。

「体重管理に用いられるサプリメントの作用機
序は大きく5つ(中略)に分類されている。こ
のことから、当該製品の機能性(体脂肪減少又
は増加抑制)がどの作用機序によって発揮され
ているかを表示することは一般消費者の理解を
助けると考えられ、当該製品の表示しようとす
る機能性に「脂肪の代謝(脂肪の分解)を助け」
及び「筋肉量の維持を助け」という作用機序を
記載した。」

そしてこの5つの作用機序について、米国 NIH
( National Institutes of Health)の The
NIH Office of DietarySupplements (ODS)のサ
イトを引用して、

1.食欲抑制作用
2.脂肪吸収阻害作用
3.脂肪合成・蓄積抑制作用
4.脂肪分解・熱産生促進作用
5.筋肉量増加作用

であるとしています。
このうち3、4、5、の作用がグラブリジンに
はあるとして、それぞれのヒト試験結果を提示
し、G1152の作用機序が導かれています。

ここでわざわざ米国 NIHのサイトから上記の一
般論的な内容を引用してきたのは、 5.筋肉量
増加作用と体重管理に説得力を持たせるためか
もしれません。というのも、3、4、について
は、脂肪減少というG1152の機能性に直接結びつ
いていますが、筋肉量増加については、筋肉が
増えることでエネルギー(脂肪)の代謝が増え
て脂肪が減少する、というワンクッションがあ
ります。

そこでこのワンクッションを補うために、別紙
様式7ー1では、厚生労働省e-ヘルスネット
「加齢とエネルギー代謝」の内容なども引用し
つつ、筋肉量の増加が基礎代謝を向上させ、脂
肪を減少させるということを説明しています。
そしてダメ押しとして上記5つの分類を提示す
ることで、筋肉量増加という作用機序を、脂肪
減少の届出表示の中に入れ込んだ、ということ
ではないでしょうか。

それでは、またメールしますね。