機能性表示最新情報 437号 / 頭皮訴求の登場

こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

K876 フラバンタブレットSC2(エスシーツー)
「本品には、松樹皮由来プロシアニジンB1及び
B3が含まれます。松樹皮由来プロシアニジンB1
及びB3には、頭皮の水分を逃がしにくくして潤
いを保ち、頭皮の健康を守るのを助ける機能が
報告されています。」

届出者は東洋新薬社。SRの作成も自社で行い、
採用文献は1報です。注目すべき表現は「頭皮
の水分を逃がしにくくして潤いを保ち、頭皮の
健康を守るのを助ける」ということで、頭皮に
ついて初めて言及できたということでしょう。

前々から、頭髪は健康の維持・増進の関係から
難しいが、頭皮なら可能性があるのではないか、
という憶測がありましたが、今回はそれが実っ
た形です。ただ、それを可能ならしめたロジッ
クの組み立て方には、苦労した形跡が見受けら
れます。

別紙様式5-3において、頭皮の評価について2段
階で論じられています。まず、(A)頭皮が健
康の維持・増進に役立つものであるとして、
(1)頭皮は腕などの他の部位と比較してTEWL
が高値であり、相対的にバリア機能が脆弱な部
位である 。
(2)頭皮のバリア機能低下は、乾燥、フケ、
かゆみ、さらには脱毛と関連し、頭皮のフケ・
炎症が認 められる被験者において、頭皮が健
康な被験者と比較してTEWL が有意に高値であ
るという報告がある。
としています。

次に(B)評価指標であるTEWLについて、
(1)欧州の皮膚評価のガイドラインにおいて
バリア機能の評価指標として記載されている。
(2)TEWL が測定部位、環境条件(温度・湿
度)、測定条件等によって変動する指標である
ため、基準値が一律に定められているわけでは
ない。
(3)病者と健常者の判定基準は存在していな
いことから、研究責任医師の判断により、対象
者は健常者であると判断した。
としています。

これが、頭皮訴求のロジックと考えられます。
ただ、(A)と(B)の関係には、どうにも座り
の悪さを感じます。というのも、(A)で頭皮
におけるTEWLの特殊性を述べておきながら、
(B)ではTEWL全般の話に拡大した上で、TEWL
には基準がないので医師が判断したとしている
点です。ここまでの流れから考えると、基準が
ないまでも、TEWLについて特殊性のある頭皮に
ついて、標準的な値など、一定の目安となる数
値の提示が欲しいところです。

この点は結果の評価にも関わってきます。K876
では、12週時点で有意な改善が確認されており、
その平均差は「-4.1 (g/m2h)」となっています。
統計的には有意ですが、比較するデータが他に
ないため、この「-4.1」という値が、TEWLが特
殊であるという頭皮においてどの程度効果があ
る代物なのかよく分からない、という問題です。

例えば、プラセボを見ると、12週前後の平均差
が「5.8」となっています。何もしなくとも
TEWLが悪化しているわけですが、意地の悪い見
方をすると、5前後の数値は季節要因で変動す
る誤差ではないのか、という見方もできてしま
います。そうなると、群間有意差があったとは
いえ、「-4.1」という数字はあまり意味がない、
という事になってしまいます。それを防ぐため
に、頭皮のTEWLについては、一定の客観的数値
が欲しいところではないでしょうか。

総合的に見ると、今回のK876にはやや気になる
点もありますが、「頭皮」という新領域を切り
開いたことになります。今後、同様の訴求を狙
う方も増えてくるでしょうから、その進展に期
待ですね。

それでは、またメールしますね。