機能性表示最新情報 188号/どのGABAを選ぶか?

こんにちは。YDCのミッシーです。

先日、ある農家の方からGABAの機能性表示申請
についてご相談がありました。

言いたい機能性はあるが、SRを独自に用意する
のは敷居が高い、と悩んでいるようでした。

今回の機能性表示最新情報は、そんなGABAの
お話です。

現在、機能性表示食品で最も人気のある
機能性関与成分がGABAです。

撤回されたものも含めれば、430件以上の受理
があります。

機能性表示全体の件数が約3700件ですから、
10%以上のシェアを占めることになります。

ちなみに、2番目は難消化性デキストリンで
約370件。

以前はこちらの方が多かったのですが、
GABAがじりじりとシェアを伸ばしてきて、
最近では突き放してしまいました。

GABAの躍進をリードしたのは、
ファーマフーズさん(SR は自社)と
三和酒類さん(SR は自社と第三者機関)。

難消化性デキストリンはほとんど
松谷化学工業さんが独占しているのに対して、
GABAは上記2社がメインとなりつつ、
その他独自の原料・SRの数社があります。

GABAには様々な機能性があります。
選り取り見取りに思えるかもしれませんが、
使用する原料によっては、どの訴求をする
のか考える必要があります。

事例の多いのは「血圧」と
「精神的ストレス・疲労感」です。

これは各社がSRを 出しており、農研機構
などが公開しているSR もありますから、
独自の原料を使用する場合にも、既存の
SRを入手して使い回せる可能性があります。

しかし、ただでさえ事例の多いGABAのなか
でも良く採用される訴求であるため、
他社との差別化を図ることは難しいかもしれません。

次に多いのは「睡眠の質」です。

これはファーマフーズさん、三和酒類さん
ともにカバーしていますが、それ以外の
事例は少ないため、独自の原料を使用
する場合には、既存のSR を利用すること
は難しいでしょう。

さらに新しい機能性としては、
「肌の弾力」「認知機能」があります。

「肌の弾力」は三和酒類さん、「認知機能」
はファーマフーズさんがカバーしています。
競合関係にある両社ですから、当然、
両立させることはできず、これらの
機能性は排他的です。

それでも「肌の弾力」と「認知機能」
のどちらも選びたい、もしくは独自の原料
でこれらの機能性を訴求したい、となれば、
第三の道として自前でSR を用意する必要があります。

GABA自体は由来を問わない化合物で、
文献も豊富にありますから、新規のSR
を作ること自体は問題ありません。

とはいえ、専門的な作業になるので、
冒頭でご紹介した農家の方の悩みも
うなづけるというものです。

機能性が豊富なだけに、どういう選択を
とるのかは悩ましいですね。

それでは、またメールしますね。