機能性表示最新情報 183号 / 「舌苔」訴求の登場!

こんにちは。

YDCのミッシーです。

先週のメルマガで、

口内環境系は表現のバリエーションが増えて
いるという件をご紹介した矢先に、
また新しい表現が登場してきました。

今回の機能性表示最新情報は、
「舌苔」訴求の事例をご紹介します。

F570 ラクトフェリンDX(ディーエックス)

「本品には腸溶加工したラクトフェリンが含ま
れるので、舌苔を減らすのに役立ちます。」

届出者はNRLファーマさんで、
RCTによる届出です。

こういう新しい表現を訴求する場合、
気を付けたいのは次の2点です。

1. 評価指標は適切か(学会などでコンセン
  サスのある基準か)

2. 疾病ではなく、健康の維持・増進の範囲
  と言えるか

1.について、

F570では、別紙様式5-3で日本歯科医学会の
報告にある診断基準を引き合いに出しつつも、

試験ではその他の論文の簡易な方法を
参考にして総合的に判断した、としています。

医師会の診断基準をそのまま採用したのでは
ないとなると、コンセンサスがあるのかどうか
という評価は、ちょっと微妙な感じがします。

また、2.については、

上記日本歯科医学会の報告から、

「口腔機能を改善することが、健康の維持・
 増進に繋がり、医学的及び栄養学的に重要」
 
であると紹介しつつ、最終的には

「舌苔量を減少することにより、口腔内を
 健やかに保つはたらきを助け、健康維持
 ・増進につながる」

と説明しています。

ところで、F570で最も注目したいのは、
この届出が口臭をターゲットとしたもの
であるという点です。

このことは論文や作用機序から一目瞭然で、

試験の被験者は口臭が気になる健常者と
なっていますし、

作用機序にも「口臭の原因は舌苔量による
ところが多く、細菌が舌に付着することで
生じる。」と記載されています。

それにもかかわらず、届出表示にも対象者
にも「口臭」の文字が入っていないのは、
いまだこの領域の扉が固いのでしょうか?

あるいは、被験者を口臭の気になる健常者
とすることで、対象者に「口臭」の表現を
入れる狙いがあったが、

そもそも試験では口臭の測定をしていない
ため、口臭の機能性があるかのように
誤解させる表現は差し戻された、

ということかもしれません。

いずれにしても、口臭関係の訴求を考える
うえで、興味深い事例と言えるのでは
ないでしょうか。

さて、

年内の機能性表示最新情報は
これが最後となります。

コロナ禍の影響で例年とは違う年末年始
になりそうですが、

皆様もお体に気を付けてお過ごしください。

それでは、またメールしますね。