機能性表示最新情報 184号 / 「血管の柔軟性」訴求

明けましておめでとうございます。

YDCのミッシーです。

どうやらまだまだ世界はコロナから
解放されそうにありませんが、

コロナがあってもなくても、このメルマガでは
今年も変わらず、機能性表示の最新情報を
お伝えしていきたいと思います。

それでは、

今年最初の機能性表示最新情報のご紹介です。

F623 プロシアニジン
「本品には、プロシアニジンB1及びB3が含まれ
 るので、加齢とともに低下する血管の柔軟性
(血管を締め付けた後の血管の拡張度)維持に
 役立つ機能があります。」

届出者は東洋新薬さん。

RCTによる届出で、
「血管の柔軟性」は今回が初となる注目の
表現です。

これまで届出表示の中で「血管」という言葉を
使っていたのは、

「ラクトトリペプチド」(VPP、IPP)と
杜仲葉由来ゲニポシド酸で、次のような事例
でした。

F261 
「本品には、『ラクトトリペプチド』
(VPP、IPP)が含まれます。
『ラクトトリペプチド』(VPP、IPP)には、
 末梢の血管の抵抗を下げることにより、血圧
 を低下させる機能が報告されており、血圧が
 高めの方に適しています。」

E42 
「本品には杜仲葉由来ゲニポシド酸が含まれ
 ます。杜仲葉由来ゲニポシド酸には末梢血管
 に作用することで、高めの血圧を改善し、
 健康な血圧を維持する機能があることが
 報告されています。血圧が高めの方に
 お勧めです。」

しかし、どちらの場合も「血管」は作用機序
として挿入されているだけで、
機能性としては「血圧」に留まっています。

また、「末梢」という血流などでは
お馴染みの制限がつけられている点などが、
今回のF 623とは異なります。

F623が「血管」を導き出したロジックとして、
まず指標としたFMD(血流依存性血管拡張反応)
について、日本循環器学会などのガイドライン
を引用して、指標の妥当性を説明します。

次に、

健康の維持・増進との関係については、
こう説明します。

「血管の柔軟性(血管内皮が持つ血管の収縮
 と拡張のバランスを調整する機能)は加齢
 とともに低下するが、このバランスの維持
 は、心血管の健康維持の観点で重要」

これで「血管」訴求を正当化するわけですが、
気になるところもあります。

それは、「血管の柔軟性」が消費者にとって
わかりやすい表現なのだろうか、という点です。

上記した心血管の健康維持は、動脈硬化の予防
などにあたるようですが、届出表示にそういう
記載はありませんし、

血管の柔軟性=動脈硬化の予防とすぐに
つながるかどうかは、微妙な感じがします。

また、「血管の柔軟性」はなかなか本人が
自覚できる健康状態とも言えません。

以前だとこういう例は取り付く島もないという
感じでしたが、その当たりも緩和されて
きたのでしょうか。

「血管」絡みの届出表示について、
今年の進展に期待したいところですね。

それでは、またメールしますね。