機能性表示最新情報 444号 / 腰回りの姿勢維持訴求

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

K1154 バナバタブレットY

「本品にはバナバ葉由来コロソリン酸が含まれ
ます。バナバ葉由来コロソリン酸は、軽い負荷
のかかる日常的な運動と併用することで、中高
年の方の腰回りの姿勢を維持する力をサポート
する機能が報告されています。」

届出者は東洋新薬社で、SRの主宰、作成も同社
によるもの。注目したい表現は、「腰回りの姿
勢を維持する力をサポートする機能」です。腰
に関する訴求としては、これまでにも腰の違和
感等の表現はありましたが、「腰回りの姿勢」
は初出となります。どういったデータから導い
ているのか、SRを見ていきましょう。

まず、SRは(1)藤木2022、(2)長田2025の2
報構成。SRのアウトカムとしては、姿勢のほか
に、歩行機能や膝の違和感なども採用していま
すが、今回の機能性の文言に取り込んでいるの
は姿勢のみとなっています。そしてその姿勢に
ついて評価しているのは(1)の文献のみで、
評価指標は胸椎後弯角(度)、腰椎前弯角(度)の
二つです。

胸椎後弯角(度)については、4週、8週どちら
の時点でも、測定値、変化量ともに群間有意差
なし。腰椎前弯角(度)については、4週は有意差
なし、8週では測定値の有意差なしだが、変化
量で群間有意差あり、という結果になっていま
す。エビデンスとしてみると少々物足りない結
果ではありますが、8週目の変化量の数値を見て
いくと、対照群平均差-5.0±2.5(mean SE)、
介入群平均差2.6±2.0ということなので、わり
と明確な差が出ている印象もあります。ただ、
この明確な差がでている、というところに1点の
引っ掛かりがあります。これについては後で説
明しましょう。

さて、「腰回りの姿勢」のように、疾病と健常
者の境界が明確ではない効果については、その
基準を示すことが求められます。K1154ではこの
点について、50~89 歳413名のコホート研究の
データを引用して説明しています。以下のデー
タです。

50 歳代 男性:44° 女性:51°
60 歳代 男性:45° 女性:47°
70 歳代 男性:45° 女性:42°
80 歳代 男性:38° 女性:38°

その上で、「平均57.4 歳の被験食品群で[摂取
前] 43.2°→ [摂取後] 45.8°、平均58.9 歳の
対照食品群で [摂取前] 50.4°→[摂取後] 
45.4°であり、これらの測定値は「おぶせスタ
ディ」において同年代で報告された腰椎前弯角
と同程度であった。」というロジックです。

ロジック自体に異論はありません。ただ、ここ
で先ほど挙げた変化量の数値が気になってきま
す。コホート研究のデータでは、男性では50歳
から80歳までの差は6°、女性でも13°という値
です。つまり、数十年ぶんの年代差でも6~13°
程度であるという事を考えると、藤木2022の対
照群において、8週間で-5.0±2.5の変化という
のは大きすぎないだろうか、という問題です。

そういう視点で藤木2022の研究を見て見ると、
男性10名、女性30名の試験となっています。コ
ホート研究のデータからすると、女性の方が年
代差が大きいため、女性の割合が高い試験系で
は、変化が大きくなることはあるかもしれませ
んが、それでもちょっとという感じ。

SR作成者が自ら引用してきたコホート研究の結
果から考えると、何もしていない対照群が8週程
度で5°前後悪化するというのは異常値に近い結
果と言えそうな数値です。ベースラインの測定
値が提示されていないのではっきりとはわかり
ませんが、群間差が付かない程度で対照群が一
時的に高めだった、と言うような原因がありそ
うです。こうした点について、SR中の考察で
フォローするなど、何かしらの言及が欲しいと
ころです。

さて、腰回りの姿勢という興味深いアウトカム
ですが、今後の進展としては、もっと規模の大
きい試験でエビデンスが補強できると良いので
はないでしょうか。

それでは、またメールしますね。