こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
K1154 バナバタブレットY
「本品にはバナバ葉由来コロソリン酸が含まれ
ます。バナバ葉由来コロソリン酸は、軽い負荷
のかかる日常的な運動と併用することで、中高
年の方の腰回りの姿勢を維持する力をサポート
する機能が報告されています。」
届出者は東洋新薬社で、SRの主宰、作成も同社
によるもの。注目したい表現は、「腰回りの姿
勢を維持する力をサポートする機能」です。腰
に関する訴求としては、これまでにも腰の違和
感等の表現はありましたが、「腰回りの姿勢」
は初出となります。どういったデータから導い
ているのか、SRを見ていきましょう。
まず、SRは(1)藤木2022、(2)長田2025の2
報構成。SRのアウトカムとしては、姿勢のほか
に、歩行機能や膝の違和感なども採用していま
すが、今回の機能性の文言に取り込んでいるの
は姿勢のみとなっています。そしてその姿勢に
ついて評価しているのは(1)の文献のみで、
評価指標は胸椎後弯角(度)、腰椎前弯角(度)の
二つです。
胸椎後弯角(度)については、4週、8週どちら
の時点でも、測定値、変化量ともに群間有意差
なし。腰椎前弯角(度)については、4週は有意差
なし、8週では測定値の有意差なしだが、変化
量で群間有意差あり、という結果になっていま
す。エビデンスとしてみると少々物足りない結
果ではありますが、8週目の変化量の数値を見て
いくと、対照群平均差-5.0±2.5(mean SE)、
介入群平均差2.6±2.0ということなので、わり
と明確な差が出ている印象もあります。ただ、
この明確な差がでている、というところに1点の
引っ掛かりがあります。これについては後で説
明しましょう。
さて、「腰回りの姿勢」のように、疾病と健常
者の境界が明確ではない効果については、その
基準を示すことが求められます。K1154ではこの
点について、50~89 歳413名のコホート研究の
データを引用して説明しています。以下のデー
タです。
50 歳代 男性:44° 女性:51°
60 歳代 男性:45° 女性:47°
70 歳代 男性:45° 女性:42°
80 歳代 男性:38° 女性:38°
その上で、「平均57.4 歳の被験食品群で[摂取
前] 43.2°→ [摂取後] 45.8°、平均58.9 歳の
対照食品群で [摂取前] 50.4°→[摂取後]
45.4°であり、これらの測定値は「おぶせスタ
ディ」において同年代で報告された腰椎前弯角
と同程度であった。」というロジックです。
ロジック自体に異論はありません。ただ、ここ
で先ほど挙げた変化量の数値が気になってきま
す。コホート研究のデータでは、男性では50歳
から80歳までの差は6°、女性でも13°という値
です。つまり、数十年ぶんの年代差でも6~13°
程度であるという事を考えると、藤木2022の対
照群において、8週間で-5.0±2.5の変化という
のは大きすぎないだろうか、という問題です。
そういう視点で藤木2022の研究を見て見ると、
男性10名、女性30名の試験となっています。コ
ホート研究のデータからすると、女性の方が年
代差が大きいため、女性の割合が高い試験系で
は、変化が大きくなることはあるかもしれませ
んが、それでもちょっとという感じ。
SR作成者が自ら引用してきたコホート研究の結
果から考えると、何もしていない対照群が8週程
度で5°前後悪化するというのは異常値に近い結
果と言えそうな数値です。ベースラインの測定
値が提示されていないのではっきりとはわかり
ませんが、群間差が付かない程度で対照群が一
時的に高めだった、と言うような原因がありそ
うです。こうした点について、SR中の考察で
フォローするなど、何かしらの言及が欲しいと
ころです。
さて、腰回りの姿勢という興味深いアウトカム
ですが、今後の進展としては、もっと規模の大
きい試験でエビデンスが補強できると良いので
はないでしょうか。
それでは、またメールしますね。
