機能性表示水面下情報~224号~ 「健康医療戦略」を使う

弁護士出身の実業家・林田です。

先月26日の「健康産業速報」は、キリン「プ

ラズマ乳酸菌」シリーズの23年販売金額が

200億円に達したことを伝えていました。

「キリンホールディングスは24日、『プラズマ

乳酸菌』シリーズの2023年の年間販売金額

が前年比約4割増となり、目標額の200億円

を達成したと発表した」

20年8月の「イミューズ」における免疫表示

受理がここに至っているわけで、キリンさんは

このプロジェクトで大きな成功を収めた、と言

えます。

ところで、私は以前から、キリンさんのこの成

功に大きく寄与したのが20年3月30日に内

閣府 健康・医療戦略推進本部に発出した「健

康医療戦略」であったと主張しています(>

セミナーテキスト)。

そして、私の論文(「機能性表示食品におけ

る免疫表示」、先端医療と健康美容 2022年

第9巻第1号)に、こう書いています。

「ところがその後、2020年3月27日に、内

閣官房健康・医療戦略推進本部がまとめた『健

康医療戦略』が閣議決定され、3月30日に

公示された。そこには、『食品の機能性等を表

示できる制度を適切に運用するとともに、機能

性表示食品等について科学的知見の蓄積を進

め、免疫機能の改善などを通じた保健用途にお

ける新たな表示を実現することを目指す』こと

が明記されていた。該当部分の末尾には『(◎

消費、厚、農、経)』と記されており、『消費者

庁は、厚労省・農水省・経産省の協力を得て機

能性表示食品において免疫表示実現を目指せ』

という官邸からのお達しとなっている。

これが免疫表示の実現に向けた大きな追い風と

なり、KIRIN社はその後程なく届出(ないし

再届出)を行い、8月7日の受理に至ったもの

と思われる(経産省でも動きがあったようだ

が、こちらは中断したものと思われる)。

なお、当時、厚労省から同本部に大坪寛子氏が

次長として出向していた。また、同本部は非常

勤職員を民間から受け入れているが、令和2

年度の派遣元は、(株)大塚製薬工場、小野薬

品工業(株)、オリンパス(株)、協和発酵キリ

ン(株)、コニカミノルタ(株)、住友製薬

(株)、第一三共(株)、(株)タニタ、中外製

薬(株)、豊田通商(株)、(株)日立製作所、

三井住友海上火災保険(株)、慶應義塾大学、

だった。」

私は先週号で、機能性表示に対する、経産省

グレーゾーン解消制度の重要性を説きましたが、

官庁に対するプレッシャーという点では、内閣

府 健康・医療戦略推進本部の「健康医療戦

略」もとても重要です。

これはかなりの高等戦略で、これを成し遂げた

キリンさんの実践力には唸るものがあります。

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