機能性表示水面下情報 04 号

1.水面下情報
 サラシア由来サラシノールの扱いが分かれていることは
 このメルマガの創刊 号・第2 号に書きましたが、これを
 反映した事象が先週表に出てきました。
 つまり、D676常盤薬品さんの「トキワ メタテクト」は、
 従来型で、「サラシア由来サラシノール」で受理され、
 富士フィルムさんのD677「メタバリアプレミアムEX
(イーエックス)」は、新型で、「サラシノール」で
 受理されています(但し富士フィルムさんのD677は
  D272の横転)。
 D676のような従来型は様式5-7の書き方、試験における
 介入食品の書き方も「コタラヒムブツ熱水抽出物」で捉え
  ていますが
 新型はそこは書き換えて「サラシノール」で捉えています
 新型の関与成分の設定なら
  「他に機能性ある成分は含まれないのか?」は問われ
  ません。
 逆に言えば、新型は「サラシア由来サラシノール」から
  方針転換して関与成分の設定を変えたのではないかと
  推察されます。
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2.注目の受理事例
(1).D677(D272の横転)
 *サラシノールが関与成分。多層構造。
 A.商品名:メタバリアプレミアムEX(イーエックス)
 B.届出者:富士フイルム株式会社
 C.関与成分:サラシノール、
               難消化性デキストリン(食物繊維)、
               エピガロカテキンガレート、
           モノグルコシルルチン、
               フロロタンニン
 D.届出表示:
    ■本品には、サラシノール、難消化性デキストリン
     (食物繊維)、エピガロカテキンガレート、
      モノグルコシルルチン、フロロタンニンが含まれます。
    BMIが高めの方に適した食品です。
  ■本品は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑える機能、
   また継続摂取によりBMIが高めの方のおなかの脂肪
   (体脂肪・内臓脂肪・皮下脂肪)・体重・
      ウエスト周囲径を減らすことで高めのBMIを低下
      させる機能があります。
  ■サラシノールは、食事から摂取した糖の吸収を
      抑える機能性と継続摂取により腸内環境を整える
     (おなかの中のビフィズス菌を増やす)機能性が
      報告されています。
 E.コメント:
     ■本品の機能性の構造は2段階。
      (A)サラシノールのみ と
      (B)サラシノール+難デキ+エピガロカテキンガレート
          +モノグルコシルルチン+フロロタンニン。
     ■(A)関与成分量はサラシノール1.0mg/日。SRは自社。
        採用文献は3報((1)別府ら2005、(2)北林ら2007、
        (3)Kajiwaraら2017)。
        (1)は0.2mg/日、(2)は0.03mg/日、 (3)は0.5mg/日。
     ■(B)関与成分量はサラシノール 1.0mg/日、
          難消化性デキストリン(食物繊維)800mg/日、
          エピガロカテキンガレート 8.0mg/日、
          モノグルコシルルチン 1.8mg/日、
          フロロタンニン 4.0mg/日。RCT。
     ■糖の吸収抑制
       SRはサラシア属植物普及協会+富士フイルム社。
       採用文献は3報((1)別府ら2005.(2)北林ら2007.
       (3)Kajiwaraら2017)(3)は牛丼の具で行って、
       ダブルブラインド試験。
     ■整腸
       サラシノール→整腸は初出。
       SRは第三者機関。採用文献は1報(Odaら2015)。
       ビフィズス菌比率がフラセボ群に比べて有意に上昇。
     ■BMI改善
      ・RCT。被験者はBMI25以上30未満でN44。8w。
        内臓脂肪面積変化量、体脂肪面積(全脂肪面積の意味)
        変化量、体重、BMIに関して群間有意差あり。
      ・モノグルコシルルチン(酵素処理ルチン)は
        初出の成分。
(2).D674
  *N58中36例除外。関与成分候補をばっさばっさと切り捨て。
 A.商品名:カイテキオリゴ
 B.届出者:株式会社北の達人コーポレーション
 C.関与成分:ラフィノース+ラクチュロース
               +フラクトオリゴ糖+イソマルトオリゴ糖
               +α-シクロデキストリン
 D.届出表示:
     本品には、ラフィノース、ラクチュロース、
     フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、
     α-シクロデキストリンが含まれているので、
     便秘傾向者の便通を改善する(排便量・排便回数を
     増やす)機能があります。
 E.コメント:
   ・関与成分量はラフィノース 1.87g/日、
     ラクチュロース 0.82g/日、フラクトオリゴ糖 0.09g/日、
     イソマルトオリゴ糖 0.04g/日 、
     α-シクロデキストリン 0.54g/日。
     RCT。ダブルブラインドクロスオーバー。
     被験者は排便回数が週3~5回の便秘傾向者。
     N58でスタートしたが第1期後のウォッシュアウト(2w)
     後の時点で、排便が週3回未満、週5回超の者36名を
     ウォッシュアウト不十分という理由で解析対象から外し、
     N22で解析して排便回数と排便量の群間有意差を導き
     出している。
   ・「カイテキオリゴ」は届出者の大ヒット商品だが、
     商品名には指摘があったようで、
     「そうした便通改善効果をカイテキ(快適)」と
     表現しており、消費者にとって誤認を与えるような
     誇大表現や機能性表示食品としての届出範囲外の
     機能性の表示に当たるものではない。」と説明している。
    (5-3)
   ・関与成分についても指摘があった模様。
     ショ糖はプラセボにも含有されていたということで斥け
    (但し、そのロジックで斥けうるのかは疑問)、
     難デキ・アカシア食物繊維は量が少ないということで斥け、
     ラクトースは便通改善の効果がないとして斥けている(5-3)。
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