機能性表示水面下情報 03 号

1.水面下情報
前 号、前前 号と作用機序について書きました。
私どもがこの点で注目しているのが、カルピスさん
ハナエール(D176)の様式7です。
そこには、<加熱死菌体の腸管内での動態ならびに
免疫担当細胞への作用>という記述があります。
他方、機能性表示自主広告基準では、基本、様式7に
書いたことは作用機序として広告できることになって
います(薬事法ルール集5-B2 >>>
そして、カルピスさんは乳酸菌L92の成分広告では
免疫訴求を積極的に展開しておられます。
今後どういう展開になるのか、注目されます。

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2.注目の受理事例

(1).眼の潤い(D648)

 A.商品名:ブルーベリー

 B.届出者:株式会社元気生活

 C.関与成分:ビルベリー由来アントシアニン

 D.届出表示:
   本品にはビルベリー由来アントシアニンが含まれます。
    ビルベリー由来アントシアニンには健康な人の眼の
    潤いを保つことが報告されています。なお、本品は
    ドライアイ(一般的に10秒間瞬きをせずにいられない方
    はドライアイと言われています。)を改善するものでは
    ありません。 
 
 E.コメント:
  ・正面から「眼のうるおい」を認めさせた画期的事例。
  ・関与成分量は57.6 mg/日。SRはBGGJapan社。採用文献は1報
  ((1)園田ら2017)。

  ・採用論文はダブルブラインドパラレルのRCT。
    ビルベリーエキス80mg(アントシアニンとして57.6mg/日)を
    20-45才の日本人男女が6w摂取。BUT(眼を開け瞬きをしない
    状態のままで表面の涙の膜が破壊されるまでの時間)に関し
    群間有意差あり。但し、右眼のみだが、その点は「本試験では
    右眼のみ有意な改善が見られたが、日本人においては利き眼が
    右眼である人の割合が多く、およそ70~75%(男性:70.73%、
    女性:75%)・・利き眼の方が日常的に頻繁に使用し、
    より負担がかかるため試験品の効果が顕著に現れたと推察され
    る。」と説明。

   ・ドライアイの判断基準には「1,2 の両者を有するものをドライ
     アイとする.
     1.眼不快感,視機能異常などの自覚症状 
     2.涙液層破壊時間(BUT)が 5 秒以下【一般的なチェック方法】

   ・10 秒間瞬きをせずにいられるか? 」というドライアイ研究会
     の診断基準に依拠。

   ・消費者が誤認し、診療予防の機会を逸するおそれを防ぐ必要が
     あるという見地から消費者の自覚が問題となるが、その点は上記
     判断基準の一般的なチェック方法に依拠し、それを「なお、本品
     はドライアイ(一般的に10秒間瞬きをせずにいられない方は
     ドライアイと言われています。)を改善するものではありませ
     ん。」と届出表示で示している。

   ・「採用文献ではVDT作業をはじめとして日常的にパソコンを使用
     (細かい作業 も可)している者(平均 6 時間以上/日)を選択し
      ている。」ということ。ただ、その点は届出表示には盛り込まず、
      様式1の主な対象者に「VDT作業をはじめとして日常的にパソコン
      を使用している健常者(未成年者、妊産婦、授乳婦を除く)」と
      盛り込んでいる。

  NOTE:
   ドライアイとの識別基準を10秒間の瞬きに求める考え方が
   採用されるであろうことは、私どもは4月の時点で予想し、
   セミナーでも言及していたところです。

(2).腸内細菌叢占有率でビフィズス菌以外に依拠しているもの
   (D653)

 A.商品名:おなかにエール

 B.届出者:ホワイト食品工業株式会社

 C.関与成分:カゼイ菌(L.paracasei, DSM19465株)

 D.届出表示:
      本品にはカゼイ菌(L.paracasei, DSM19465株)が含まれ、腸内環境
    を改善し、おなかの調子を整えます。おなかの調子が気になる方へ
    お勧めです。
 
 E.コメント:
    ・被験者はラクトバシラス目の占有率が低く排便回数が少ない44名
   (1名脱落し解析対象は43)。ダブルブラインドパラレル。2w。

    ・(1)腸内細菌叢の占有率に関し、プラセボ群と比べ、Provotellaが
    有位に低値。
     (2)Clostridium subcluster 14aが有位に高値。
      (3)1wの占有率変化量では、ビフィズス菌も有位に増加。
     さらに(4)お腹の張りが有位に軽減。

    ・(1)(2)(3)から「腸内環境を改善」を導き、(4)から「おなかの調子
   が気になる」を導く。

    ・便秘,便量も試験のアウトカムとしているが、群間有意差なく、
   やや微妙。

    ・カゼイ菌(L.paracasei, DSM19465株)は初出成分。

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