機能性表示水面下情報 37 号/GABA12.3mgの秘密(2)

1.おさらいしましょう。

  GABA12.3mgを導ける可能性があるのは、梶本
  2003と梶本2004-2のみです。

  低用量の論文としては、他に、土田10mgも
  ありますが、群間有意差がありません。

   また、Inoue10-12mgもありますが、対象者が
  I度高血圧のみです。

2.梶本2003は軽症者も入れた全体の結果では
  群間有意差がありますが、軽症者を除いた
  層別解析の詳細が不明。

  そこで前回紹介したFSさんは、グラフ上
  軽症者が入っていない(数値は不明)梶本
  2004-2を付け足しで採用して12.3mgを
  導いた、ということでした。

3.しかし、梶本2003のP値を論文から引出して
  いる例もあります。

  K社のD18がそうです。

  K社のD18は18報も採用していますが12.3mgを
  導けるのはやはり梶本2003と梶本2004-2のみ
  です。

  そこで、著者にメールしたが返信はなかった
  と補助資料に記載し、梶本2003については
  P値を論文から引出しています。

  しかし、その結果は、拡張期(DBP)は
  群間有意差はあるも収縮期(SBP)はなし。

  1勝1敗と微妙な結果に終わっています。

  そこでK社は「総合的に考えて12.3mgでもよい」
  といった感じのロジックを展開しています。

4.わかったようなわからないような微妙な
  ロジックを展開しているのはFF社も同じです。

  曰く「血圧が高めの健常者のみを対象とした
  研究、または、層別解析により血圧が高めの
   健常者のみの解析を行っている研究は10報
  (梶本 2004a、梶本 2004b、福渡 2004、
   稲富 2006、山越 2006、小林 2006、中川
   2007a、中川 2007b、中川 2008、Shimada
   2009)あるが、収縮期血圧においては10報中
   9報で、拡張期血圧においては10報中8報で
   血圧が高めの健常者に対して有意な血圧低下
   効果が認められた。」(E577)。

  しかし、この中で12.3mgを導けるのは梶本
  2004bだけです。

  FSさんやK社がメタを用いつつ最後は定性的
  ロジックに帰着しているのに対しF社が
  始めからメタを用いなかったのはある意味
  スマートかもしれません。

5.しかし、みなが測定値がなくて困っている
  梶本2004-2に関し、バッチリ測定値を記載して
  いる例もあります。

  SC社のD678がそれです(S大学。バナナに
  関するYK研究所のも同じ)。

  SBPもDBPも測定値を様式のV-11aに記載して
  います。

  著者へ問合せた旨の記載はなくどうやって
  この測定値を入手したのか不思議です。

6.結局、血圧アウトカムのGABAで12.3mgを
  導いているのは、(1)FS型(2)K型(3)FF型
  (4)SC型と4パターンありますが、どれも
  不思議なところがあります。

  先々週、先週とGABA12.3mgの受注例が続々
  出ていますがこの状況に変りはありません。