機能性表示水面下情報 ~184号/後から補正した論文を届出に使う(1)

弁護士出身の実業家・林田です。

以前のこのメルマガでもお伝えしたとおり、
アサヒさんの免疫表示の受理に重要な役割を
果たした論文は元の掲載が2021年8月でした
が、2022年3月に補正が行われたものでした
(>資料)。

実はこのような手法は以前から存在していた
ものです。

D126 サンキノウ クリルオイルプラスがそれ
です(>表示見本)。

1.こちらは当初の論文には試験食品について
 次のような記載がありました[「薬理と治
 療」第45巻第6号 P1001(2017)]

「4 試験食品

 試験食品のおもな成分はクリルオイルであ
 る。試験参加者は、クリルオイル250mg含
 有のソフトカプセル(試験食品A)または
 クリルオイル125mgとサフラワー油125mg
 含有のソフトカプセル(試験食品B)、あ
 るいはサフラワー油250mg含有のプラセボ
 カプセルのどれかを毎朝食後4カプセル、
 4週間摂取した。クリルオイルの1日摂取量
 はクリルオイル低用量群で500mg、クリル
 オイル高用量群で1000mg相当である。」

2.これに対し、「薬理と治療」第46巻第8号
 P1456(2018)で、次のような事後的修正
 が行われています。

「クリルオイルの1日摂取量はクリルオイル
 低用量群で500mg、クリルオイル高用量群
 で1000mg相当である。なお、クリルオイル
 低用量群500mgに含まれるEPA、DHAはそれ
 ぞれ60mg、27.5mgであり、クリルオイル高
 用量群1000mgに含まれるEPA、DHAはそれぞ
 れ120mg、55mgである。サフラワー油に含
 まれるEPA、DHAはともにOmgである。クリ
 ルオイルはSuperba TM2(アーカー・バイ
 オマリン社製)を使用した。」

3.そして届出書類においてこう説明していま
 す。

「当該論文において、試験に使用したクリル
 オイルに含まれる機能性関与成分クリルオ
 イル由来EPA ・ DHA の含量が明記されて
 いなかったため、同学術雑誌に訂正(補足)
 として、記載し公表した。」

4.届出商品の関与成分量は、クリルオイル由
 来EPA 6mg+クリルオイル由来DHA 27.mg
 でしたが、これは補正に示された試験の低
 容量と合致するものでした。

 これで万時辻褄が合いました。