機能性表示水面下情報 ~164号/関与成分分析の「検証事業」

弁護士出身の実業家・林田です。

機能性表示は食品化学・医学・法律学など様
々な専門分野にまたがる制度ですが、食品表
示企画課の担当課長が農水から送り込まれてい
ることからわかるように、中心分野は農水が
仕切る食品化学です。

そういう背景もあって、受理された商品に関
する関与成分の分析が正当なものかと検証す
る「検証事業」が毎年この時期に行われてい
ます。

「検証事業」と言うと、研究目的のようなイ
メージですが、「変更届」を迫られたり、場
合によっては「撤回」を迫られたりするケー
スもあるので事業者の方々は油断はできませ
ん。

今年も始まり、乳酸菌やポリフェノールなど
がターゲットとなっているようです。

さて、そんな中で「う~ん」と唸るような定
性分析手法があります。

E622「毎日アップルリンゴジュース」がそれ
です(>表示見本)。

こういうことです。


1.関与成分は、「リンゴ由来プロシアニジ
 ン」。よってプロシアニジンがリンゴ由来
 であることを証明しなければなりません。

2.それに関し、「本品の製造工程ではリンゴ
 しか使われない。添加物の使用もない。本
 品はFSSC220000の認証を受けた施設で製造
 されており、他の成分が混入することはな
 い」と説明しています。

 つまり、製造工程からして、本件のプロシ
 アニジンはリンゴ由来でしかありえない、

本件は農研さんの商品です。「関与成分(本
件だとプロシアニジン)をもたらしうる原材
料は他に一切使われていない」という条件が
言えるのであれば、このロジックはありかと
思います。というわけです(>様式3-3 P.2)。

クロマト比較もブランク品も不要になります。