弁護士出身の実業家・林田です。
排尿のヘルスクレームに関して、このメルマ
ガの6月28日号でこんなことを書きました。
1.これまでの受理事例はF18のみで、そのヘル
スクレームは「本品にはキナ酸が含まれま
す。キナ酸は、トイレが近いと感じている
女性の日常生活における排尿に行くわずら
わしさをやわらげる機能があると報告され
ています。」
2.対し、オリザ油化さんが、薬理と治療
vol.50 no.5に追加論文を掲載し、そこで
は、「行政に言われて、回数減少のエビデ
ンスを作った」と言っている。
3.しかし、行政はどうも「回数」を入れない
「排尿に行くわずらわしさ」を不可とはし
ない感じ。
3については現時点でもそんな感じです。
ところが、「排尿に行くわずらわしさ」(の
減少)をヘルスクレームとした関与成分「ノ
コギリヤシ由来脂肪酸」のケースについて、
最近こういう対応が見られます。
「ノコギリヤシ由来脂肪酸」の内実は(1)オレ
イン酸、(2)ラウリン酸、(3)パルミチン酸、
(4)ベリステン酸であるところ、(1)以外は
飽和脂肪酸」。飽和脂肪酸は食品表示基準別
表第9にあり(>表)、関与成分となしえな
い。
「今頃…」という感じですが、ノコギリヤシ
→排尿は絶対に認めたくないのではないかと
いう気がします。
■インシップ社がノコギリヤシサプリについ
て頻尿防止を暗示する広告を行っていたこと
に関し(>広告)、適格消費者団体消費者ネ
ットおかやまが2020年2月19日、景表法違反
としてその差止を求めて岡山地裁に提訴しま
したが、9月20日、岡山地裁は「ノコギリヤ
シの頻尿改善効果を肯定する研究報告等も相
当数見られるのであるから、ノコギリヤシに、
少なくとも個人差のある一定程度の頻尿改善
効果が認められる可能性は否定しきれない」
と述べて、インシップ勝訴の判決を下しまし
た。
「ノコギリヤシ→頻尿」に関しては、機能性
表示よりも暗示広告か成分広告で行った方が
よさそうです。