機能性表示水面下情報~89号/不思議な受理

1.
アラプラス 深い眠り メンタルケア(F891)
 
届出表示:
本品は5-アミノレブリン酸リン酸塩を含み、
睡眠の質を改善する機能と、一時的なストレスを
感じている方の一時的に落ち込んだ気持ちを
和らげる機能があります。
睡眠の質に満足していない方、一時的に気持ちが
落ち込んだ方に適しています。
 
3月19日に受理された本品。
 
商品名にもあるように、
(1)深い眠りと(2)メンタルケアが
エンドポイントです。
 
 
しかし、
届出資料の様式Ⅴには(2)はあるのですが、
(1)がありません。
 
 
どうやら先行品
「アラプラス 深い眠り」(D425)
のエビデンスをそのまま用いる、
という意図のようです。
 
 
しかし、その言及はF891の届出資料において、
必要ではないかと思います。
 
 
2.
アリゾナの軌跡(E793)
届出表示:
本品にはオレイン酸が含まれます。
オレイン酸を32.4g/日摂取することで、
正常なコレステロール(LDLコレステロール
および総コレステロール)をサポートする機能が
報告されています。
本品に含まれる個包装を2袋食べることで、
機能性が報告されている1日当たりの機能性
関与成分の量の50%を摂取できます。
健常な範囲でコレステロールが高めの方に適しています。
 
 
2020年5月18日に受理された
ピーカンナッツ(生鮮食品)です。
 
 
オレイン酸を関与成分とした唯一のSRで、
採用文献は5報、[1]Tholstrup 2011,
[2]Egert 2011, [3]Teng 2010,
[4]Tholstrup 2004, [5]Blanco-Molina 1998。
後値が判明している3報([2],[3],[5])で
メタアナリシスを実施しています。
 
 
関与成分量は16.2g/日(1日量の50%)で、
一見したところ特異のない普通のSRのようです。 
 
ところが、文献[1],[2],[5]にオレイン酸
摂取量の記載がありません。
いずれも毎日の食事を試験食に置き換えており、
被験者によって食事の量が異なる
[1]、high-fat食とlow-fat食の区別しか
しておらずオレイン酸量が不明[2]、
介入と対照は毎日卵2個をプラスするだけの違いで
オレイン酸摂取量の違いがない、
且つオレイン酸量が不明[5]、という問題があります。
 
 
一方、関与成分量に目を向けると、
本品の1日あたり摂取量を下回るのは、
[2]の22.6gと、[5]の31.5gですが、
いずれもLDL-Cの群間有意差がありません。
 
 
このためメタアナリシスを実施したと
思われますが、謎の多いSRです。
 
 
 
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