機能性表示水面下情報 66号/GABAのありえない間違い

1.8月29日の「薬事の虎」で、ミッシーが、認知
 訴求のF258の登場によりGABAに関して6つの
 訴求が可能になったことを伝えていました。

 その6つとは、

 1)血圧(12.3~100㎎)
 2)ストレス(28~100㎎)
 3)睡眠(100㎎)
 4)活力(100㎎)
 5)肌弾力(100㎎)
 6)認知(100㎎)

 です。
 
 *F258(日本コカ・コーラ株式会社,
     からだおだやか茶W(ダブル))

 届出表示:
 
 「本品にはGABAが含まれています。GABAには
  加齢によって低下する認知機能の一部
  である、記憶力(見たり聞いたりしたこと
  を思い出す力)の向上に役立つ機能がある
  ことが報告されています。また、GABAには
  血圧が高めの方に適した機能があることが
  報告されています。」

2.今度は、トマト > GABA+リコピン >
 (1)GABA(28mg):ストレス(2)リコピン(22㎎)
 :LDL、という訴求が登場しました。

 F357がそれです。

 *F357(株式会社Happy Quality,
     Hapitoma(ハピトマ))

 届出表示:

 「本品にはGABAとリコピンが含まれます。
  GABAを28mg摂取すると仕事や勉強による
  一時的な精神的ストレスを緩和する機能が、
  リコピンを22mg摂取すると血中LDL
  コレステロールを低下させる機能がある
  ことが報告されています。本品を200g
  (7~15個)食べると機能性が報告されて
  いる一日当たりの機能性関与成分の量の
  50%を摂取できます。」

3.F357のようなパターンだと、(1)と(2)の
 相互作用の検討が必要です。

 F357は、GABAには血圧低下作用があること
 からか、別紙様式V-3の「2.補足説明」
 において、

 「GABAの血圧降下作用とリコピンのLDL
  コレステロール低下作用との作用機序は
  互いに独立しており、相互作用がある
  可能性は極めて低いものと考える。」

 と考察しています。

4.ここまではわからなくもないのですが、
 わけがわからないのがF357「2.補助説明」
 の冒頭の記述です。

 つまり、「今回届出を行う商品の機能性は、
 2つのシステマティックレビューを科学的
 根拠としている。すなわち、(1)当該商品に
 含まれる機能性関与成分「リコピン」に
 よる血中脂質代謝(LDL コレステロール)に
 関するメタ分析を含むシステマティック
 レビューと、(2)当該商品に含まれる機能性
 関与成分「GABA」による血圧低下作用に
 関するメタ分析を含むシステマティック
 レビューである。」

 としています。

 F357がGABAに関して訴求しているのは
 「ストレス」であって「血圧」ではないので
 「血圧」のSRなどF357にはありません。

5.GABAに沢山のアウトカムが認められている
 ことがもたらした「珍事」なのでしょうか。