機能性表示制度|Systematic Reviw(文献調査)について

機能性表示制度 5.2アウトラインの衝撃!
方向転換する健食新規制
~SR(システマティックレビュー、文献調査)について 

5月2日に行われた健食新制度の検討会

国が考える機能性表示のアウトラインが示されました。

そのアウトラインで示されたエビデンスの一つ、

【SR(システマティックレビュー、文献調査)】について

この記事では詳しく解説していきます。

臨床試験は1000万円以上のコストがかかるのに対し、
SRなら100万-200万で上がるので
コスト的にはよさそうです。
しかし、いろいろ問題があります。

まず、次の2つの場合はSRはエビデンスになりません。

(イ)査読付きの臨床研究論文が1本もなかった場合
(ロ)表示しようとする機能について、査読付きの臨床研究論文がこれを支持しない場合
たとえば、
「ルテイン」について、SRをエビデンスとして
「ルテインが視力をサポート」と機能性表示を行うことを考えたとしましょう。
しかし、「ルテイン」に関する
のレビューはこうです。

「有効性に関する主要な臨床試験及び科学的に実証された日欧米の公的機関からの報告は見当たらない」

 ※詳細はこちらをご覧下さい。

 (”同意する”で表示)

これではSRはエビデンスになりません。
臨床試験で行くしかありません。

あなたがSRで行こうかと思っている成分について、
まずHFSで調べてみてください。

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(HFS)健康食品素材の
 科学的実証データベース
こちらからご覧下さい。
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他方、「サイリウム」だと
 
「慢性便秘に関するシステマティックレビューでは、
サイリウムなどの食物繊維により排便頻度が増加し、
腹痛や便の硬さなどの症状が軽減したという報告がある」
 ※詳細はこちらをご覧下さい。

 (”同意する”で表示)

とされていますので、
「サイリウムで便秘を改善」という機能性表示は行けそうです。

しかし、こういう成分は少ないので
そこに各社が触手を伸ばし、
原料価格の高騰・商品価格の高騰を招きそうです。

また、5・2アウトラインはSRについて2つの要求をしています。

1)「SRに当たっては、その結果の客観性・透明性を担保するために
検索条件や採択・不採択の文献情報等、
結果に至るプロセス、スポンサー・共同スポンサー
※及び利益相反に関する情報、出版バイアスの検討結果等について、
詳細に公表すること。」

2)「SRについてもできるだけ事前登録を行い、
新たな知見を含めた検討を定期的に実施、
公表していくよう努めることとする。」

 

1)は調査の過程をHPで公表せよということで結構大変です。

2)は努力義務ではあるものの、1)を常にUPDATEせよということでこれも大変です。  

尚、「SRの事前登録」は現状海外にしか存在していないので、
この要求は非現実的と思います。
(SRの登録システムの例)
 (ヨーク大学の登録サイト)

(アミノ酸の肥満抑制効果に関する登録例)

もう一つ、SRの使えない点があります。

それは、「3つの成分のトリプルパワーで実感」などと、
ある効果が複合成分の効果としてもたらされると
デザインしている場合です。

この場合、
その3つの成分のそれぞれのSRは可能ですが、
3成分複合のSRは無理なので、
この場合にSRというチョイスはできません。

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以上について、
より詳しい内容を
14年5月30日開催のセミナー、
もしくは、
14年6月2日~販売開始のWEB動画で
解説します。

詳細とお申込は以下からどうぞ。

https://www.yakujihou.com/seminar/20140530_n.html

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機能性表示制度|新制度の内容 戦略の紹介
については、
こちらの記事をご覧下さい。