葛の花問題のその後/大きく変わる注の書き方(5) 体験談その5

薬事3法とマーケティングの最もリアルでロジカルな
情報と知恵をお伝えする林田です。
葛の花機能性表示食品を販売されていた
日本第一製薬さんがそのホームページに

謝罪広告を掲載されました(8月1日付)

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http://www.jp-no1.co.jp/news/detail.php?news_id=39

スギ薬局さん、テレ研さんに次いで3件目です。
この問題も終盤戦にさしかかってきたようです。

さて、

昨日の続き、体験談の注記の仕方についてです。
こういう事例を考えましょう。
1.置き換えダイエットの健食を摂取し、3ヵ月で
  3キロ減ったというAさん体験談を載せる。

2.エビデンスはもともとのBMI25であるAさんのレポートと
  JACTA(日本臨床試験協会)で行った臨床試験。

3.JACTAでは3ヵ月間の試験を行い、本品を摂取しない
  無介入群をコントロール(対照群)として
  痩身効果について有意な差が確認された。

  被験者は本品群・コントロール群各々20名で
  各々スタートのBMIは平均25。

4.95%信頼区間は-1キロから-5キロ。

5.本品群では3キロ以上やせた人が20名中12名だった。
で、7.14報告書は、注に

(1)被験者の数及びその属性、
(2)そのうち体験談と同じような効果等が
   得られた者が占める割合、
(3)体験談と同じような効果等が得られ
   なかった者が占める割合

を書けと言っています。
これを鵜呑みにすると、この例の注はこんな感じです。

「※本品群と対照群(本品を飲まない群)の比較試験(12W)。
 本品群は平均BMI25の健康な成人男女20名。
 うち、3キロ以上痩せた者60%。3キロ未満の者40%
 (2017年.JACTA調べ)」
「3キロ未満の者40%」はイメージ悪いかもしれません。
7.14報告書は統計学の専門家をブレーンに
付けなかったみたいで、

上記の注は統計学的にあまり適切ではありません。
(単純に%を示すのは母集団と標本の関係を適切に
示そうとする統計学のナレッジに欠ける気がします)
統計学のナレッジを挿入するとこんな感じです。

「※本品群と対照群(本品を飲まない群)の比較試験(12W)。
 本品群・対照群共に平均BMI25の健康な成人男女20名。
 本品群は対照群に比べ有効な痩身効果を示した(P<0.05)。
 95%信頼区間(有効な結果が確実に得られるゾーン)は
 -1キロから-5キロ。このゾーンに至らない者の割合は
 本品群で5%(1名)。(2017年.JACTA調べ)」
こちらの方が見栄えもいいですね。
詳しいことは、9月7日のセミナーで
お話ししましょう。
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