こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
L285 お口の環境対策サプリ 還元型コエンザ
イムQ10
「本品には還元型コエンザイムQ10が含まれます。
細胞のエネルギー産生を助ける作用と抗酸化作
用がある還元型コエンザイムQ10にはお口の潤い
が不足がちと感じる方のお口の潤いに役立つ機
能があることが報告されています。」
届出者はインシップ社で、SRの作成はカネカ社
です。今回注目したのは「細胞のエネルギー産
生を助ける作用と抗酸化作用がある」の枕詞で
す。この枕詞や、還元型コエンザイムQ10に
よるお口の潤い訴求自体は以前からある事例で
す。データベースで、「還元型コエンザイムQ
10」と「潤い」で検索すると13件のヒットが
あり、そのなかでこの二つを組み合わせている
のはこの事例だけとなります。
「細胞のエネルギー産生を助ける作用と抗酸化
作用がある」は、要するに作用機序にあたる
わけですが、これを表示しようとする機能性に
入れるにあたり、L285では別紙様式5-3で次の
ように説明しています。
「還元型コエンザイムQ10 は、エネルギー産生
作用と抗酸化作用によって表示しようとする機
能性を発揮することが明らかとなっている(別
紙様式(5)-18 参照)ため、これらを表示するこ
とは、一般消費者の理解を助け、本製品の機能
性を正しく伝え、適切な利用に寄与すると考え
られる。そのため、「細胞のエネルギー産生を
助ける作用と抗酸化作用」という作用機序を記
載した。」
併せて幾つかの文献をヒト試験のエビデンスと
して挙げていますが、それらの文献は還元型コ
エンザイムQ10が、エネルギー産生と抗酸化作
用の有意な増加を示すというものであって、お口
の潤いとの関係を示すものではありません。因
果関係は、別紙様式(5)-18 にある以下の記述に
集約されます。
「・・・ヒト唾液腺由来細胞株HSG 細胞を用い
たin vitro 実験において、還元型CoQ10 の添加
によって細胞のエネルギー(ATP)の産生が促進
されるとともに、酸化が抑制されることが示さ
れている[3]。ATP 産生の促進によって唾液分泌
(水分泌)が増加すると考えられること [4]、
および酸化ストレスは唾液分泌機能を低下させ
ることが知られている[4]ことから、エネルギー
産生を助ける働きおよび酸化ストレスを緩和する
働きが、還元型CoQ10 が唾液分泌機能を維持し、
お口の潤いに役立つ作用機序と考えられる。 」
CoQ10→ATP 産生や酸化抑制→お口の潤い、と
いう因果関係を示すのは上記にある通りin vitro
実験ということになります。4で引用されている
文献は、ヒト試験における唾液分泌量、唾液中
CoQ10濃度の測定であって、ATP 産生や酸化抑
制を測定したものではありません。ATP 産生や
酸化抑制については、考察で述べられているに
とどまります。
そうなると、この因果関係のエビデンスはかな
り薄い。理想的には、還元型CoQ10のヒト摂取に
よる、ATP 産生や酸化抑制と唾液分泌量の増加
が同時に測定されており、そのデータに相関性
が見出される、そんな試験論文があることで
しょうか。
では、作用機序と表示しようとする機能性の因
果関係を示すエビデンスがなければ、届出とし
ては不適なのかというと、そうとも言えません。
というのも、手引きにある、表示しようとする
機能性に作用機序を含める際のエビデンスの
規定は、意外と曖昧だからです。
「表示しようとする機能性に作用機序を含める
場合、ヒトにおける作用機序について出典を明
記の上、in vitro 試験又はin vivo 試験により
作用機序を評価した場合のヒトへの外挿性につ
いて説明することも含め別紙様式(V)-18 で
科学的に説明する必要がある。」
表示しようとする機能性と作用機序の因果関係
について、具体的にどこまでヒト試験のエビデ
ンスを交えて説明せよ、といった規定はありま
せん。そこをどうとらえるかは届出者による、
という事だと思います。そのうえで尚1点挙げる
とすると、因果関係の橋渡しにin vitro試験を
引用している点でしょうか。この場合、手引き
が明示している「ヒトへの外挿性についての説
明」が求められる場面のはずですが、その説明
が薄いように思われます。
いずれにしろ、広告などでも作用機序を含めた
展開をしていくことを考えると、できればしっ
かりとしたエビデンスが欲しいところですね。
それでは、またメールしますね。
