機能性表示最新情報 443号 / 外された(?)PSQI

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

K1141 ねむりラクティウム

「本品には、デカペプチド(YLGYLEQLLR)

が含まれます。デカペプチド(YLGYLEQLLR)

は、日常的な生活で一時的に睡眠時間が足りな

いと感じている方の睡眠の質(寝つきのよさ、

眠りの深さ)の向上をサポートする機能がある

ことが報告されています。」

届出者はサンブライト社で、SRの作成はサン

ブライト社と、日本抗加齢医学会および日本抗

加齢協会。採用研究は2件。

注目したいのは、「日常的な生活で一時的に睡

眠時間が足りないと感じている方」という表現

です。今までの睡眠関係の事例では、睡眠の質

が気になる方のような対象者はよく目にします

が、睡眠時間が足りないと感じている方、とい

う設定は珍しいと思います。

ただ、対象者では睡眠時間へ言及しているの

に、文言の方では、睡眠の質(寝つきのよさ、

眠りの深さ)となっていて、睡眠時間が一切か

かわっていない、という点にちぐはぐさを感じ

ます。

その辺を含めて少し気になるところを見ていき

ましょう。

この「日常的な生活で一時的に睡眠時間が足り

ないと感じている方」がどこから来ているかと

いうと、採用研究の一つである河西2024のサ

ブグループ解析として、「睡眠時間が不足して

いると感じている被験者」での解析を行い、

PSQIの睡眠の質(C1)と、OSA-MAの因子

II:入眠と睡眠維持に有意差があったことによ

るものだと思います。全例解析では、PSQIの

睡眠の質(C1)では有意差ありだが、OSA-

MAの因子II:入眠と睡眠維持では有意差なし

のため、「睡眠の質(寝つきのよさ、眠りの深

さ)の向上」を言うために、サブグループ解析

の結果が必要だったと、整理できます。

ただ、この結果の整理の仕方にはいろいろと問

題があります。まず、河西2024の原文を見る

とサブグループ解析は事後的な解析だったと明

記されており、事前プロトコールにないものだ

ったことが分かります。当該のSRではその点

を見落としていたのか、特にこの問題には言及

されていません。

また、もっと大きな問題は、河西2024のサブ

グループ解析はこれだけではなく、「軽度な気

分の落ち込みを示す被験者」でも実施されてい

ますが、このデータは取り上げられていませ

ん。これは、SRにおいてサブグループ解析の

データをどう取り上げるか、明確にしていない

ことが原因と考えられます。

また、「睡眠時間が不足していると感じている

被験者」のサブグループ解析に関し、OSA-

MAの全5項目で有意差があるのは因子IIの測

定値のみ、PSQIの7項目+総合得点では、睡

眠の質(C1)の変化量だけが群間有意差あ

り、となっていることが分かります。なので、

SR上では採用された項目がほとんど有意な結

果を示しているように見えますが、実際には絞

り出した、といった感じのようです。

また、もう一つの研究であるKim2019に目を

向けて見ると、こちらは睡眠日誌とアクチグラ

フィーでの群間有意差となっています。ただ、

こちらも原文を見て見ると、PSQIの総合得点

の報告があり、その結果は群間有意差はなしと

いうものになっています(著者自身が考察にお

いて質問票で有意差がなかった点に触れてい

る)。こちらの報告では、総合得点だけで各項

目ごとの点数は示されていないため、睡眠の質

(C1)がどうなっているのかはわかりませ

ん。しかし、2研究で共通の評価指標が説明も

なく不採用になっている点は、エビデンスの信

頼性に疑問符がつくので気を付けたいところで

す。

それでは、またメールしますね。