こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
K66
「本品には乳酸菌TWK10(L. plantarum
TWK10)が含まれます。乳酸菌TWK10(L.
plantarum TWK10)には、加齢に伴い低下する
日常の身体活動(ウォーキングや階段の上り下
り等)をサポートする体幹の筋肉量及び除脂肪
体重(全身の筋肉量)の維持に役立つ機能があ
ることが報告されています。」
届出者は中原社。3報採用のSRで、作成はオル
トメディコ社が行っています。また、注目点と
しては、初出の表現として「体幹」という言葉
が出てきます。詳しく見ていきましょう。
まず、3報の論文の内、 Cheng2023、Lee2022に
ついては全身の筋肉量のみの測定となっていて、
体幹の筋肉量を測定しているのは、国慶2024の
1報となっています。国慶2024は届出者である
中原社が実施した試験のようです。
「体幹」について、SR中では言及されていませ
んが、全身の筋肉量から四肢の筋肉量を差し引
いたものと考えられます。実際、当該試験の
UMIN登録には、測定部位に関して「筋肉量 (全
身、右脚、左脚、右腕、左腕、体幹部)」と記
載されており、腕や脚などの四肢の筋肉量を測
定することが記載されています。しかし、SRで
はこれらのデータは取り上げられていません。
選択的アウトカム報告として、「事前登録の記
載がある が (UMIN000050371)、 全てのアウト
カムの結果が記載されていない」として評価
を下げているのは、この点でしょうか? もし
かすると、結果があまり芳しくなかったのかも
しれません。
また、もう一つ気になる表現として「日常の身
体活動(ウォーキングや階段の上り下り等)を
サポートする」というのがあります。ここでは、
ウォーキングや階段の上り下りといった具体的
な動作を挙げていますが、実際にはこれらの
データはしめされていません。また、作用機序
にも当たらないので、筋肉量及び除脂肪体重を
説明するための枕詞のようなものになっていま
す。
この点についてSRでは、「健康日本21(第三
次)」などを引き合いに出しながら、以下のよ
うに説明しています。
「高齢者の日常生活動作能力のなかで比較的早
期から低下するのは、歩行や起居などの移動動
作にかかわる能力とされることから、高齢者が
日常生活において歩行運動を積極的に行うこと
は、日常生活動作障害に対する初期予防活動と
して有効である。・・・したがって、歩行運動
は健康の維持増進において重要な身体活動のひ
とつであり・・・」
作用機序やエビデンスと直接絡むことのない
「日常の身体活動(ウォーキングや階段の上り
下り等)をサポートする」のような表現につい
ては、消費者庁はかなり厳しく指摘してくる印
象があります。今回は健康の維持増進とからめ
ることで、うまくパスしたというところでしょ
うか。
それでは、またメールしますね。
