機能性表示最新情報 409号 / 検証事業報告書

こんにちは。YDCのミッシーです。

2025年9月9日に、消費者庁から「機能性表示食
品に係る機能性関与成分に関する検証事業報告
書」という資料が公開されています。この資料
は、年度ごとに行われる買上調査において、各
商品を分析した結果が細かく記載されているも
のです。現在は平成27年度分のみですが、今後
令和6年分まで順次公開されていくという事で
す。

ニュースを見ていくと、この公開については、
食の安全・監視市民委員会という市民団体が機
能性表示食品制度に関する情報公開を求めて提
訴し、勝利判決を得た結果のようです

https://www.fswatch.org/?p=2124)。

消費者庁は「開示すると消費者庁がどの部分を
中心に事後監視を行っているか、届出された分
析方法の不備をどのように評価しているかなど
が推知され、事業者が問題点の指摘を免れるな
ど悪用される恐れがあり、検証機関による忌た
んのない検討結果の指摘を困難にさせる。」と
いう理由で開示を渋っていたというのも興味深
いところです。

肝心の内容については、A番台の事例について
分析結果と所感が並んでいます。特に面白いの
が冒頭部分にある概括です。これだけでもかな
りの分量があるので、かいつまんでご紹介しま
す。

・グラブリジンやイチョウ葉フラボノイド配糖
体、イチョウ葉テルペンラクトンは指標成分で
あり、機能性関与成分とすることへの疑問

・グルコサミンは、実際の定量がグルコサミン
塩酸塩で行われているのに、名称をグルコサミ
ンとしている問題

・乳酸菌など、腸まで届くとしているものは、
実際に腸まで届くことを確認しているか注意が
必要

・定性確認の評価がされていない

・分析方法に関する資料について、HPLCの移動
相や、標準品に関する詳細が記載されていない。
また、分析方法のバリデーションが示されてい
ない、等々。

さて、気づいた方も多いと思いますが、消費者
庁からの差戻や、撤回・変更など要因となった
問題の多くが、この報告書で示されています。

例えば、グルコサミンの問題は多くの撤回を生
み出しましたし、分析方法に関して移動相や標
準品の詳細を記載するようにという指摘は、あ
る時期から非常に多く見られるようになりまし
た。

手の内をさらしたくないという消費者庁の気持
ちもわからないではないですが、もう少し早く
この内容が示されていたら、余計な手間をかけ
ずに事前に解決できた問題もあったのではない
か、と感じてしまいますが、皆様はいかがで
しょうか。


それでは、またメールしますね。