機能性表示最新情報 408号 / メタアナリシス関連の色々

こんにちは。YDCのミッシーです。

新基準の前に言われていた噂として、メタアナ

リシスが重要になる、あるいは必須になるとい

うことがありましたが、50件程度が受理されて

いる現在、メタアナリシスを実施しているのは

数件ほどです。

一方で、PRISMA2020関連では、下記のような指

摘をよく目にします。

「メタアナリシスを計画していた場合はあらか

じめ計画していた方法およびその実施条件を、

メタアナリシスを計画していなかった場合は、

その旨が記載されているか」

これまでの機能性表示のSRでは定性的なレ

ビューが圧倒的に主流です。しかし、一般的に

はSRにはメタアナリシスがつきものなので、SR

を実施するという事は前提としてメタアナリシ

スを実施する計画を立てていることを意味しま

す。PRISMA2020もそれを踏まえたものとなって

おり、このため、先のような指摘が来ることに

なるわけです。

「メタアナリシスを計画していなかった場合」

という文言もありますが、その合理的な理由を

述べることは、計画を立てるよりもかえって難

しいのではないかと思います。

以下に、採用文献の少なさや研究間の違い(異

質性)から使用できるデータが少ないためメタ

アナリシスは実施していないが、計画として組

み込んでいる事例をいくつか紹介します。

(1)K43

メタアナリシスが実施できる場合、次の手法を

用いることとした。研究デザインが同じで、

PICOの各項目の類似性が高い場合はメタアナリ

シスし、結果の統合、グループ化を実施するも

のとした。類似性の評価は対象者特性、介入方

法、比較対象、アウトカム、測定方法、実施期

間とした。欠損データがある場合は変換によっ

て得られる値であれば、変換によって目的の数

値を算出し、また著者問い合わせによって得ら

れるものであれば、その値を採用することとし

た。ただし、変換によって得られない、また著

者からのデータ取得が不可能であれば、その

データは統合から除外することとした。メタア

ナリシスはEZR ver. 1.68を用いて結果の統合

を行うこととした。結果を統合する際には、

個々の研究と統合の結果を別紙様式(V)-15

にまとめ、フォレスト・プロットやファンネ

ル・プロットで図示することとした。

(2)K39

バイアスリスクを「低(0)」または「中(-

1)」と評価した研究について、レビュアーA、

CがRevMan 5を用いて、メタアナリシスを実施

することとした。試験ごとの効果の差を考慮し、

ランダム効果モデルを用いたDerSimonian-

Laird法にて行い、効果推定量にはSMDを用い、

95%CIを示すこととした。異質性の評価は、フォ

レストプロットの確認と、I2値から評価するこ

ととした。I2値の結果は、0%以上25%未満:異

質性なし、25%以上50%未満:異質性中程度、

50%以上75%未満:異質性が強い、75%以上:異

質性が非常に強い、と評価することとした。異

質性が無視できる(I2値が50%未満)と評価さ

れた場合、非一貫性の評価はメタアナリシスの

結果を採用することとした。

(3)K15

関連性の高いアウトカムであるRCT 研究が5 報

以上あり、且つバイア スリスクや非直接性の

評価が「低(0)」または「中(-1)」であった対

象研究が得られた 場合に、統計解析ソフトの

Review Manager(RevMan 5.4)を用いて解析する

こととした。 解析方法はレビューワーB にて、

DerSimonian-Laird 法により平均値差を統合し、

Forest plot にて効果量と95%信頼区分(95%

CI)を求めた。また、I2 値より異質性を評価し、

 40%未満は「低(0)」、40%~75%未満は「中/

疑い(-1)」、75%~100%は「高(-2)」とした。

異質性が確認される場合には、サブグループ

解析による追加解析を行い、十分なデータ

が得られた場合には、感度分析により統合結

果の頑健性を評価することとした。

少し補足しておくと、(2)や(3)で名前の

挙がっているRevMan5は、ver5.4でサポートが

終了しており、現在はRevManWebという新しい

システムになっています。

また、ランダム効果モデルにDerSimonian-

Laird法を使っている事例が機能性表示では多

いと感じます。上でも(2)と(3)がそうで

す。DerSimonian-Laird法は以前はRevManで採

用される分析方法だったために広く知られてい

ますが、データ数が少ない場合にはRestricted

 maximum likelihood(REML)法の方が適して

いると言われています。実際、新しくなった

RevManWebでは最近になってREMLがデフォルト

になったようです。

これからメタアナリシスの計画を作る必要があ

る方は、そういったことも踏まえた上で考えて

見ると良いのではないでしょうか。

それでは、またメールしますね。