機能性表示最新情報 396号 / αリノレン酸で認知機能

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J1423 AJINOMOTO(アジノモト)
 ことば脳活 えごま油の力
「本品には、α-リノレン酸が含まれます。α-
リノレン酸には、加齢により低下する認知機能
の一部である言語流暢性(言語情報を適切に素
早く数多く思い出す力)を維持することが報告
されています。」

届出者はJ-オイルミルズさん。PRISMA2020に対
応した、採用文献1報のSRによる届出です。先
週のメルマガで採用文献1報でも問題はなさそ
うという話をしましたが、実際に直近の届出で
も受理されていますね。

αリノレン酸は以前からある成分ですが、認知
機能の訴求は初めてとなります。ogawa2023の
文献からFAB(Frontal Assessment Battery at
 Bedside)の言語の流暢性の項目において、0-
 12の変化量で有意に改善、FABのトータルでは
 有意差なしという結果。
 
若干物足りない感はありますが、認知機能の試
験ですべての項目が有意に改善するということ
もなかなかないですから、こんなものかもしれ
ません。

しかし、気になる点もあります。当該のSRでは
標題を「機能性関与成分 α-リノレン酸の摂
取による加齢により低下する認知機能の言語
流暢性を維持する機能に関する研究レビュー」
としています。

また、アウトカムは、「加齢により低下する認
知機能の言語流暢性を維持する機能 「認知機
能(言語流暢性)」 に役立つか」となってい
ます。最初の段階で、評価の対象を言語流暢性
という細かいところまで絞り込んでいることが
わかります。

その理由について、論拠では以下のように説明
されています。

「言語流暢性は 、系統立てて記憶された言語
情報を流暢に数多く想起する(思い出す)能力
を指しており、言語流暢性の低下は遂行機能
障害に関与している。遂行機能障害は認知症の
中核的症状であり、言語流暢性の低下は認
知症につながることが報告されている。 以上
のことから、 言語流暢性を維持することは認
知機能の維持・増進にとって重要である。」

ところで、採用論文であるogawa2023には上記
のFAB以外にもMMSE、MoCA、Stroop Test、

WMS-Rなどの評価指標が採用されています。

しかし、これらの指標についてはいずれも群間

有意差なしとなっています。

このため、言語流暢性という細かい項目にまで
絞り込み、他の評価指標には言及しなかったの
ではないか、という疑問が湧いてしまい、少し
もやっとしますね。

それでは、またメールしますね。