機能性表示最新情報 391号 / 血圧の診断基準

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J1102 血圧対策サプリ
「本品に含まれるカゼインペプチド(トリペプ
チドMKPとして)には、高めの血圧(収縮期血
圧・拡張期血圧)を下げる機能が報告されてい
ます。」

届出者は森永乳業さん。カゼインペプチドはこ
れまでにも受理事例がありました。例えば以下
の事例です。

H500 森永トリプルヨーグルト 100g
「本品にはカゼインペプチド(トリペプチド
MKPとして)と難消化性デキストリン(食物繊
維)が含まれます。カゼインペプチド(トリペ
プチドMKPとして)には、高めの血圧(収縮期
血圧)を下げる機能、難消化性デキストリン
(食物繊維)には、糖や脂肪の吸収を抑える機能、
食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやか
にする機能が報告されています。」

以前の事例では血圧が収縮期血圧に限定されて
いましたが、今回は拡張期血圧も含まれていま
す。PRISMA2020へ対応すると共に、旧来のSRが
yuda2018の1報だったのに対し、sato2024を加
え2報でのメタアナリシスを実施することで有
意差が得られたようです。

とろこで、一つ気になったのはJ1102とH500で
は血圧の診断基準が異なるという点です。
H500では従来の特保基準を用いているのに対し、
J1102では日本高血圧学会による「高血圧治療
ガイドライン2019」の基準を用いています。こ
の基準では、境界域として正常高値血圧と高値
血圧が設定されており、その基準が以下の通り
です。

正常高値血圧
収縮期血圧 120~129mmHg
かつ 拡張期血圧 <80mmHg

高値血圧
収縮期血圧 130~139mmHg
かつ/または 拡張期血圧 80~89mmHg

この基準で採用すると、多少、下限の幅が広く
なります。J1102では、sato2024でこの基準が
用いられているようです。最近ではこの基準を
使っている例もちらほらあり、例えば、J1090な
どもそうです。

ただし、質疑応答集の問5-2 には、学会な
どのガイドラインと、特保基準で定義が異なる
場合は、特保基準を優先するとなっています。
J1102では別紙様式5-2を用い、「本研究レ
ビューの対象者の健康の維持及び増進に役立つ
アウトカムであること」という項目で、「高血
圧治療ガイドライン2019」を用いることの意義
を説明しています。

特保基準より優先させるなら、単に学会に認め
られた基準であるだけでなく、その基準を用い
ることのもう一歩踏み込んだ根拠を説明する必
要がある、ということですね。

それでは、またメールしますね。