こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
J1022 ESTRORICH.PURE(エス
トロリッチピュア)
「本品は、はなびらたけ由来トレハロースを含
んでいます。はなびらたけ由来トレハロースは、
中高年期の健常な女性の日常生活における一時
的な疲労感(疲れやすさ)を軽減します。」
届出者はインタートレードヘルスケアさんで、
RCTによる申請です。注目するのは「中高年期
の健常な女性の日常生活における一時的な疲労
感(疲れやすさ)を軽減」という表現です。
こういった言い回しは、女性更年期への直接的
な訴求ができないために、婉曲的な表現として、
これまでにも似たような事例はいくつかありま
した。例えば以下の事例です。
I276 ピクノジェノールα(アルファ)
「本品には松樹皮由来プロシアニジンが含まれ
ています。松樹皮由来プロシアニジンは中年期
女性の日常生活の一時的な疲労感を改善するこ
とが報告されています。」
I276では、Women’s Health Questionnaire
(WHQ)を評価指標として使っています。これは、
中高年女性のQOLを測定するための指標であ
り、更年期障害の評価に特化したものではあり
ません。更年期障害の評価にも使える、といっ
た具合の指標です。このためI276では更年期障
害ではなく、疲労感の方向へもっていって受理
されたと考えられます。
対して、今回のJ1022の主要アウトカムはSMI
(簡略更年期指数)です。これは名称からして
も更年期障害の指標に見えるため、この中に疲
労感に関する質問項目が含まれていたとしても、
疲労感の訴求に持っていくためには一工夫が必
要です。
実際に色々と苦労したような跡が別紙様式5ー
3に見られます。ここには「SMIスコアの疲労
感判定における妥当性について」として、論文
や女性外来の医師の見解など1~9の根拠を示
しています。
さらにもう一つ。
J1022では二つの臨床試験論文が提出されてい
ます。一つ目は本試験のもので、この論文では
SMIの総合スコアとしての群間有意差は確認さ
れていますが、個別の質問事項、特に「疲れや
すい」については、改善傾向が認められた、と
あるだけなので、群間有意差なしと思われます。
また、この第一論文では、原材料のはなびらた
け粉末の配合量の記載はありますが、そこに含
まれる成分量についての記載がないという問題
もあります。
そこで第二論文として、被験者の年齢を40歳か
ら50歳代に絞った層別解析を実施しています。
これによって、「疲れやすい」などの項目にお
いて群間有意差を確認。さらに、動物試験の論
文をもとにして、疲労感軽減の効果は、はなび
らたけ由来トレハロースによるものであるとい
う、機能性関与成分の絞り込みもこの論文で行
われていました。
最初の論文が2022年、次の論文が2023年、受理
されたのが2025年となっていますから、かなり
苦戦されたのかもしれません。察するに、当初
は更年期障害を目指したが認められず、疲労感
に方向転換を図るため第二論文を作成。今度は
SMIを疲労感の指標として用いることの是非を
指摘された、と言った感じでしょうか。更年期
関係の訴求の大変さが感じられますね。
それでは、またメールしますね。