機能性表示最新情報 378号 / 4つ目の免疫事例 ~3698~(2025/02/01)


こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J814 ミカレアのパラミロンi

「本品は、ユーグレナグラシリスEOD-1株

由来パラミロン(β-1,3-グルカンとし

て)を含むので、日常生活の一時的な精神的・

身体的疲労感を軽減する機能があります。また、

免疫細胞(単球、ナイーブT細胞)の働きを助

け健康な中高年の方の免疫機能の維持に役立つ

機能があります。」

届出者はミカレアさんで、RCTによる届出です。

注目はなんといっても、「免疫細胞(単球、ナ

イーブT細胞)の働きを助け」でしょう。メル

マガのタイトルにもある通り、これまで免疫で

受理された成分は、プラズマ乳酸菌、L-92乳酸

菌、酢酸菌GK-1の3つでした。今回のパラミロ

ンが4つめとなり、しかも菌関係ではないもの

としては初めてとなります。

さらに興味深いことは、今までの免疫はpDC細

胞への作用を中心としたものであったのに対し、

今回のJ814では単球、ナイーブT細胞に言及し

ている点です。

これまでの免疫受理のロジックを簡単におさら

いすると、末端の免疫指標(例えば免疫グロブ

リン)などが改善しているだけでは認められず、

上流の位置にある司令塔的な存在が活性化する

ことで、全体の免疫系が改善されているという

エビデンスが必要とされていました。この司令

塔的存在がpDCだったわけです。

では、このロジックが崩れたのかと言えば、そ

うではないです。以下、少し長いですが、届出

資料からの抜粋です。

「自然免疫で重要な働きをする単球の高い活性

状態を維持し、獲得免疫で中心的な働きをする

T細胞を活性状態にすることを通じて、免疫機

能全体を調整し、健康な人の免疫機能を維持す

る」

(別紙様式7ー1)

「被験食品群の単球の活性状態を示すCD80の発

現が対照食品群と比較して有意に維持されてお

り、単球が活性状態を維持していることが確認

された。また、被験食品群のCD4陽性ナイーブT

細胞およびCD8陽性ナイーブT 細胞の活性状態

を示すCD28やCD38の発現が有意に上昇している

ことから、これらのナイーブT細胞が活性化の

刺激を受け活性状態になっていることが確認さ

れた。活性状態にある単球はT細胞を活性化す

ることが知られていることから、これらの結果

は被験食品群の摂取により単球の活性状態が維

持されることで、ナイーブ T細胞が活性状態に

なっており、T 細胞以降の幅広い免疫機能が調

節されることを示している」

(別紙様式5-3)

つまり、単球 →ナイーブT細胞 →T細胞以降の

免疫、というpDCとは別系統のトップからの命

令伝達経路があるというわけです。しかも、本

品については、「単球以外の末梢血中の抗原提

示細胞である骨髄系樹状細胞(mDC)および形

質細胞様樹状細胞(pDC)の活性状態に影響を

与えない」と言い切っていることも興味深いと

ころです。pDC系の免疫事例と差別化を図って

いる感じでしょうか。

久しぶりの免疫事例となりましが、pDC以外の

作用機序が認められたということは大きな出来

事だと思います。今後、他にもこのような事例

が出てくるのか、期待したいところです。

それでは、またメールしますね。