機能性表示最新情報 362号 / エノキタケ抽出物の事例

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J492 減肥きのこ 粒タイプ

「本品にはエノキタケ抽出物が含まれます。エ

ノキタケ抽出物には、肥満気味な方の、お腹の

脂肪(内臓脂肪)を減少させ、体重の減少をサ

ポートし、高めのBMIを低下させる機能があ

ることが報告されています。」

エキス・抽出物である「エノキタケ抽出物」は

初出の機能性関与成分になります。指標成分は

リノール酸及びα-リノレン酸になっています。

実はこれと似た事例はこれまでにもありました。

次の二つの事例を見てください。

A8 蹴脂粒

「本品は、キトグルカン(エノキタケ抽出物)

を配合しており、体脂肪(内臓脂肪)を減少さ

せる働きがあります。体脂肪が気になる方、肥

満気味の方に適しています。」

G961 EG(イージー)タイトCleanse

(クレンズ)

「本品には、エノキタケ由来脂肪酸(リノール

酸、α-リノレン酸)が含まれます。エノキタ

ケ由来脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸)

には、肥満気味な方の、内臓脂肪を減少させ、

体重の減少を助け、高めのBMIを低下させる

機能があることが報告されています。肥満気味

で内臓脂肪が気になる方、BMIが高めの方に

適しています。」

まず、A8は、機能性表示の初期に出た事例で、

堀2009によるRCTの届出です。このころは、エ

キス・抽出物の考え方が明確になっていなかっ

たため、指標成分なども設定されていません。

この後、エキス・抽出物は、いったんは機能性

関与成分とすることはできないとされることに

なります。A8も現在では撤回されています。

その後、D602あたりから出てきたのが、「エノ

キタケ由来脂肪酸(リノール酸、α-リノレン

酸)」を機能性関与成分とした事例です。これ

は上で示したG961まで、10件程度の事例があり

ます。エビデンスはSRで、溝口2007の1報のみ

採用となっています。

さて、ここで今回のJ492です。この事例もエビ

デンスは溝口2007の一方のみとなっており、こ

の溝口2007は、G961と同じ論文です。それもそ

のはずで、上で紹介した三つの事例はいずれも

リコム社の原材料を使用しており、J492とG961

のSRもリコム社が作成しています。

そうなると、G961の頃までは、機能性に寄与す

るのは、リノール酸、α-リノレン酸のみだと

していたはずなのに、J492になって、リノール

酸、α-リノレン酸だけに限定はできず、やは

りエキス・抽出物が機能性に関係している、と

方針を変えたことになります。

エノキタケ由来脂肪酸(リノール酸、α-リノ

レン酸)はG961で受理が途絶えていることから、

このあたりで機能性関与成分の設定に何かしら

の問題があり、J492でエキス・抽出物としてそ

の問題をクリアした、という感じでしょうか。

それでは、またメールしますね。