機能性表示最新情報 94 号 / 健康の維持・増進の範囲の広がり?

こんにちわ。YDCのミッシーです。
届出の申請を続けていると、一度ならず目にする
差戻し理由が「健康の維持・増進の範囲を超える」
というものです。
最近、この範囲について、少し変化があったのかな、
と思うことがあります。
ある部分では以前と同様に厳しいままですが、
別の部分では許容範囲が広がったようにも感じます。
ところで、具体的に「健康の維持・増進の範囲」が
どういうものかといえば、大まかに2とおりの
パターンがあるように思います。
一つは、明確に数値化されたもので、例えばBMIなどが
分かりやすい例です。
BMIの場合、25以上30未満という病者ではないが
肥満気味の人を、正常値に近づける、というのが
「健康の維持・増進の範囲」です。
BMI30以上は疾病の領域に入ってしまいますし、
逆にBMIが低い場合は、痩身効果の標榜として
やはり差戻しです。
最近、尿酸値や肝機能酵素値の値を訴求する事例が
出てきましたが、これらも数値化された事例ですね。
むしろ数値として病者と健常者をきっちり区別できる
からこそ、訴求として認められているという感じがします。
このパターンでは、健常者かどうかを区別する数値の設定は
厳格で、以前として「健康の維持・増進の範囲」には
厳しい対応が求められます。
一方、もう一つのパターンは、数値化が出来ない、
または難しいことを訴求する場合です。
最近の事例から見て行くと、次のようなものがありました。
D347 摩擦音ケアにひざ年齢

「本品にはコラーゲントリペプチド(GPHyp)が
  含まれるので、日常生活で生じる膝関節の違和感
  (摩擦音)を軽減する機能があります。

  ただし、一過性でない膝関節の違和感(摩擦音)が
  続いたり、あるいは膝関節に他の異常のある場合は
  医師の診察をお勧めします。」
ここでは摩擦音と健康の維持・増進の関係について、

「摩擦音は膝関節の機能を判断する上で重要な項目の
  一つであり、これまで生じていた膝関節の摩擦音が
  無くなることは膝関節の機能の改善を意味する。

  摩擦音が無くなり膝関節の状態、日常生活で感じる
  違和感が改善し、生活の質(QOL)の向上につながる。

  即ち、この違和感(摩擦音)が低減されることは
  健常人にとって有益である」

としています。
ただ、それだけでは足りなかったのか、医師の診察の
推奨にも言及していて、健康の維持・増進との
結び付けに苦労したのかな、と思わされます。
また、次の事例もあります。

D352 オリザ 黒ショウガエキス

「本品には、黒ショウガ由来5,7-ジメトキシフラボン
  および黒ショウガ由来5-ヒドロキシ-7-メトキシ 
  フラボンが含まれます。

  黒ショウガ由来5,7-ジメトキシフラボンおよび
  黒ショウガ由来5-ヒドロキシ-7-メトキシフラボン
  には、現代生活で低下するものを握る力ならびに
  加齢に伴って低下する立ち上がる力および自転車運動
  をサポートする機能があることが報告されています。」
別紙様式5-16では、体力調査の結果を踏まえながら、
こうまとめます。
「握力は加齢に関係なく近年低下傾向にあり,脚力, 
  持久力は35歳を含め加齢により減少する。

  機能性関与成分介入によるこれらの改善効果は,
  表示しようとする機能性が「健康の維持および
  増進に寄与する」ことを示す」
上記二つの事例ともに、ストレートに「健康の維持・増進」
へ結びついているとは言えないものです。
こういうものはかなり細かい指摘が入ると思われますが、
最終的に受理されたことを考えると、

こちらのパターンでは「健康の維持・増進の範囲」の
適用が少しおおらかになったのかもしれませんね。
二つのパターンの対応を考えると、前者は以前として
厳格なまま、後者は少し緩くなったということで、
全体としては「健康の維持・増進の範囲の広がり?」
という疑問符付です。

ではまたメールしますね。
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