機能性表示最新情報 262号 / 「同時摂取」の謎

こんにちは。YDCのミッシーです。

それではさっそく、今回の機能性表示最新情報
をご紹介します。

◆H299 Nプラスドリンクヨーグルト

「本品にはノビレチンとβ-ラクトグロブリン
が含まれています。ノビレチンとβ-ラクトグ
ロブリンには同時摂取で、花粉、ホコリ、ハウ
スダストなどによる目の不快感を軽減すること
が報告されています。」

複数の機能性関与成分で一つの機能性を訴求す
ることはさほど珍しくありませんが、わざわざ
「同時摂取」と強調するのは、初出の事例です。

同時摂取としていることについて、SR 中には
下記の記載があります。

「通常のヨーグルトでのβ-ラクトグロブリン
単独摂取に於いて、目の不快感を軽減する機能
を示すヒト試験の報告はなく、ノビレチンとβ
-ラクトグロブリンの同時摂取が目の不快感軽
減には重要であると考えられる。」

しかしこの説明を見ていると、β-ラクトグロ
ブリンについてはわかりましたが、ノビレチン
については単独摂取でどうなるのだろうか、と
いう疑問が湧きます。

もう少し詳しくSR を見ていくため、採用文献
であるHara2017の試験品に注目します。
試験品は ノビレチン0.53mgとβ-ラクトグロブ
リン150mgを含むヨーグルト、プラセボはノビ
レチンは含まず β-ラクトグロブリン 93mgを
含むヨーグ ルトとされており、プラセボにも
β-ラクトグロブリンが無視できない量含まれ
ていることがわかります。

このプラセボに含まれる β-ラクトグロブリン
については、通常のヨーグルトに含まれる分量
であるとは記載されていますが、試験結果への
影響については特に言及されていません。

このため、本品の機能性はノビレチンを同時摂
取したことによるものなのか、β-ラクトグロ
ブリンの含有量の違いによるものなのか、SRに
示された情報だけでは不明瞭という感じがしま
す。

本文に示されている通り、「β-ラクトグロブ
リン単独摂取に於いて、目の不快感を軽減する
機能を示すヒト試験の報告はなく」ということ
を前提に考えれば、ノビレチンの同時摂取によ
るものとなるのでしょうが、ちょっと釈然とし
ない感じがしますね。

それでは、またメールしますね。