機能性表示最新情報 248号 / S-アリルシステイン、有効量の問題

こんにちは。YDCのミッシーです。

ついに届出番号も「H」が出始めました。G番は
約1400件ですから、前年度のF番と比べて300件
以上の伸びということになり、機能性表示の広
がりを感じさせます。このあたりのデータは近
いうちにまとめてお知らせしますね。

それでは、今回の機能性表示最新情報のご紹介
です。

G1339 有機 黒にんにく
「本品にはS-アリルシステインが含まれます。
S-アリルシステインには、日常生活で生じる一
過性の身体的な疲労感を軽減する機能があるこ
とが報告されています。」

S-アリルシステインの事例はこれまでに3つあ
りますが、いずれもSRは異なります。また、
その有効量には少し気になるところがあります。

以下に、各事例のS-アリルシステインの含有量
とSRでの採用文献を簡単にまとめてみました
(届出表示はいずれも疲労感の軽減です。()
内は文献の示す有効量です)。

G1339 S-アリルシステイン2㎎含有
(1)高柳2019(2㎎)

G1110 S-アリルシステイン1㎎含有
(1)高柳2019(2㎎)
(2)長田2017(1㎎)
(3)長田a2019(1㎎)
(4)長田b2019(1.4㎎)

G302 S-アリルシステイン2㎎含有
(1)高柳2019(2㎎)
(2)長田2017(1㎎)
(3)長田a2019(1㎎)
(4)長田b2019(1.4㎎)

各事例で共通している(1)高柳2019は、介入
は明確にS-アリルシステイン2㎎であるとして
3つのSRの見解は一致していますから、特に問
題はないでしょう。

問題があるのは残りの3報です。G1339では、
この3報について、「S-アリルシステイン以外
の成分も摂取しているため」として除外してい
ます。

一方これらの文献を採用している残りの2事例
ですが、まず、G302ではS-アリルシステイン以
外の成分については、特に言及しておらず、SR
の結論として有効量は1~2㎎であるとしてま
す。ただ、G302の場合商品の含有量が2㎎です
から、結局は(1)高柳2019(2㎎)に依拠で
きるため、大きな問題はありません。

他方、G1110はS-アリルシステイン1㎎含有で
あるため、(1)高柳2019(2㎎)には依拠で
きず、G1339で「S-アリルシステイン以外の成
分も摂取している」とされた3つの文献(特に
(2)と(3))に頼ることになります。

この点についてG1110は研究の限界に、「介入
は熟成にんにくエキスだとしている。主な機能
性成分はS-アリルシステインだとしてその含量
も明記されているが、他の成分の関与がまった
くないとは言い切れない」と記載しています。

以前だとこういうのは目ざとく指摘されて差し
戻しになったものですが、形式審査に徹してい
る現状では、深く突っ込んではこないようです。
とは言え、(2)と(3)の文献でも1㎎のエ
ビデンスとして問題ないことを説明できるよう
な用意はしておいた方が安心ではないでしょう
か。

それでは、またメールしますね。