機能性表示最新情報 222号 / 他の届出資料の参照はOKか?

こんにちは。YDCのミッシーです。

こうしてメルマガを書いていると、ちょっとした言
葉遣いの違いでも読む人に与える印象が変わり、改
めて日本語の難しさを感じます。
そして文章の難しさという点では、届出表示の表現
にも独特のものがあります。今回はそんな届出表示
の文章作法のお話です。

それでは今回の機能性表示最新情報のご紹介です。

G549  櫻珠
「本品にはアスタキサンチンが含まれます。抗酸化
作用を持つアスタキサンチンは、紫外線による刺激
から肌を保護し、紫外線を浴びた肌を乾燥から守り、
肌のうるおいを守るのを助ける機能が報告されてい
ます。また、肌のうるおいと肌の弾力を維持し、さ
らに肌のバリア機能(保湿力)を維持することで、
肌の健康を守るのを助ける機能があることが報告さ
れています。」

届出者はファーマフーズさん。SRは1つで文献は4報
を採用。訴求は肌のうるおい、紫外線、弾力の3つ
です。

さて、この情報から届出表示を見て、おや? と
思った方は、日本語の表現に敏感で、届出表示の文
章作法に精通している方だと思います。

どういうことか、説明する前に届出表示における文
章作法について簡単にお話しします。これは、一つ
の成分で複数の機能性を訴求する場合に重要になる
ものです。

せっかくなのでファーマフーズさんにあやかって
GABAを例にしてみます。

「GABAには睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした
目覚め)の改善に役立つ機能があることが報告され
ています。また、GABAには仕事や勉強による一時的
な精神的ストレスを緩和する機能があることが報告
されています。さらに、GABAには肌の乾燥が気にな
る方の肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助け
る機能があることが報告されています。」

この例ではGABAの訴求として睡眠、ストレス、肌弾
力があり、それぞれにSRがあります。こういう場合、
届出表示では「・・・報告されています。また、
GABAには・・・」のように「また」などの助詞でつ
ないで、それぞれの訴求を明確に分ける必要があり
ます。

「GABAには睡眠の質を改善し、仕事や勉強による一
時的な精神的ストレスを緩和し、肌の乾燥が気にな
る方の肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助け
る機能があることが報告されています。」
こんな風に一つにつなげることはできません。こう
いう繋げ方をすると、一つのエビデンスで3つの機能
性が同時に得られたかのようになってしまうからです。

さて、このことを踏まえてG549の届出表示をもう一
度振り返ってみると、SRは一つであるはずなのに、
紫外線の訴求と、肌のうるおい・弾力の訴求を分け
て「また」でつないでいます。こうなると、紫外線
の訴求と、肌のうるおい・弾力の訴求ではそれぞれ
別のエビデンス(複数のSR)があるかのようにも見
えてしまいます。

なぜこういう形になっているかというと、おそらく
その理由はこうです。
G549では、肌のうるおい・弾力の機能性を得るには
1粒(3mg)、紫外線は2粒(6mg)、というように摂
取量を分けています。

G549は一つのSRで肌のうるおい・弾力・紫外線の3
つを同時に採用していますが、その有効量は肌のう
るおい・弾力が3mg以上であるのに対し、紫外線は
4mg以上と異なります。

2粒(6mg)摂取という点にだけ注目すれば、肌のう
るおい・弾力・紫外線の3つを同時に得ることがで
きるので、「また」などで機能性を分ける必要は
ありません。

しかし、G549の場合は1粒(3mg)の摂取量も想定
しており、その場合は、肌のうるおい・弾力の機
能性だけとなり、紫外線に対する機能性も同時に
得られるかのような誤解を避ける必要があります。

このため、届出表示の表現も、
肌のうるおい・弾力の機能性と紫外線の機能性を同
時に得られるような形ではなく、明確に分ける必要
があったのだろうと推測されます。

同じように摂取量によって機能を分けている例は他
にもありますが、それらはたいていSRが複数あるの
で、G549 とは異なります。G549の形が少し特殊と
いうことですね。

それでは、またメールしますね。